ウルトラマン物語
| ウルトラマン物語 | |
|---|---|
| 監督 | 高野宏一 |
| 脚本 | 平野靖士 |
| 製作 | 円谷皐 |
| 音楽 |
宮内国郎 冬木透 菊池俊輔 |
| 撮影 | 山本武 |
| 編集 | 浦岡敬一 |
| 制作会社 | 円谷プロダクション |
| 製作会社 |
松竹富士 円谷プロダクション |
| 配給 | 松竹 |
| 公開 |
|
| 上映時間 | 93分 |
| 製作国 |
|
| 言語 | 日本語 |
| 製作費 | 2億円[要出典] |
| 前作 | ウルトラマンZOFFY ウルトラの戦士VS大怪獣軍団 |
| 次作 | ウルトラマンUSA |
『ウルトラマン物語』(ウルトラマンストーリー[注釈 1])は、1984年(昭和59年)7月14日に公開された特撮映画作品[出典 1]。製作は円谷プロダクション、配給は松竹[2][3]。上映時間は93分[2][3]。ビスタサイズ[3]。同時上映は『アニメちゃん』[4]。
概要
本作品よりも前に制作されたウルトラシリーズの劇場版は、日タイ合作の『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』(1974年)を除けば、テレビシリーズの1話をそのまま上映するか、テレビシリーズを再編集して繋ぎ合わせるものであった。だが、本作品は半分以上が新規撮影されており、ウルトラマンタロウがウルトラの母とウルトラの父の教えを受けながら、少年(地球人で言えば10歳程度)から青年へと成長する過程を描いた、劇場版オリジナルとなった[2][4]。流用シーンもテレビシリーズのエピソード設定に準じた再編集されて活用したものになっていて、タロウの成長の合間に起きた事件として使われた[5]。また、タロウが研究のために見る歴代ウルトラ戦士の戦いにも使われている。その中には、テレビシリーズでは『ウルトラマンタロウ』(1973年 - 1974年)よりも後に放送された『ウルトラマンレオ』(1974年 - 1975年)や『ウルトラマン80』(1980年 - 1981年)の戦いもある。
ウルトラ戦士や怪獣のスーツの大半は新規に造られており[6]、ウルトラの母はマスクのイメージが変更されている[5]。なお、ウルトラマンのスーツは東芝のビデオデッキ「ビュースターD60」のCMに使用されていた若狭新一が製作したものを流用している[7][5]。
また、『レオ』『80』のほか『ザ☆ウルトラマン』(1979年 - 1980年)、『アンドロメロス』(1983年)で使用されたBGMが一部流用されている[注釈 2]。
本作品では地球人は直接には一切登場せず、ウルトラ戦士がテレビシリーズにおける人間体になったような描写も省略されている[注釈 3]。
ジュダの登場や大野剣友会によるスタントなど、『メロス』を踏襲した設定となっている[2][7]。
本作品の完成披露試写会場において、ウルトラ6兄弟・ウルトラの父・母・ブースカ・カネゴン・ピグモンが舞台挨拶に登壇し、次回作としてウルトラマンとアンドロメロスの登場する映画の製作が予定されていたが[9]、実現には至らなかった。
ストーリー
M78星雲ウルトラの星では、まだ子供だったウルトラマンタロウが一人前のウルトラ戦士を目指して特訓に励んでいた[2]。怪獣は凶悪な存在ゆえに倒さなければならないと考えていたタロウは、ウルトラの星に生息する善良な怪獣ドックンとの出会いを機に、それが間違っていることを知る。
特訓を続けながら成長したタロウはある日、訓練中にウルトラの父が自分に実戦を許してくれない理由を考え、それが理由でミスを犯す。それこそ、ウルトラの父がタロウに実戦を許さない理由だった。しかし、ウルトラの父に一喝されたタロウは己の慢心を認め、以前よりも特訓に力を注ぐようになった。
そして、遂にタロウに実戦を許される時がきた。ウルトラマンと引き分けたメフィラス星人が、ウルトラセブンに倒されたエレキングを改造エレキングに強化改造し、地球に再び現れたのである。タロウは改造エレキングとメフィラス星人を倒したが、ウルトラの父から「まだ学ばねばならないことがある」と特訓を続けさせられる。
不満を抱きながらも特訓を続けるタロウは、不思議な夢を見た。それを聞いたウルトラの父は尋常ではない驚きぶりを見せると、タロウに最後の特訓を課した。それは、ウルトラの父が頭部のウルトラホーンから発したエネルギーを、タロウが自分のウルトラホーンで吸収するというものだった。この特訓こそ、かつてウルトラの父が倒し、今また復活しようとしている宇宙の帝王ジュダを倒すためのものだった。
そして、復活したジュダの配下とウルトラ兄弟の戦いにタロウが参戦する[2]。
登場ウルトラマン
登場怪獣・宇宙人
諸元 ジュダ
JUDA[11][12]別名 宇宙の帝王 身長 60 m[出典 2][注釈 5] 体重 3万2千 t[出典 2][注釈 5] 出身地 宇宙[出典 3] - 宇宙の帝王 ジュダ
- 宇宙の歪みから生まれた宇宙最大の悪魔[12]。5万年前にウルトラの父によって宇宙の歪みを元に戻されたことで封印された[12]。だが、不確かな形でタロウの夢の中に復活の予兆が現れ、宇宙の歪みが増大したことで復活し、光の国への侵攻とウルトラの父への復讐を目論んだ[12]。本作品では、地球を襲ったヒッポリト星人やバルタン星人 、エンマーゴはジュダの手下という設定になっている[4]。
- 宇宙全体の空間をねじ曲げ、大宇宙の破壊を目論んだ[12]。武器は長く鋭い剣[14]。強力怪獣を新たに生み出す能力や、すべての宇宙怪獣を生み出す能力を持つ[12]。
- 存在自体が宇宙の歪みそのものであるゆえに消し去ることができないため、数万年ごとの復活は避けられないが、ウルトラ戦士が何世代にも亘って封印し続けている。最後はグランドキングを倒され、苦悶のうちに消え去った[4]。
- 超合体怪獣 グランドキング
諸元 ドックン
DOKKUN[出典 4]別名 小型怪獣 身長 27 m[出典 5] 体重 1万 t[出典 5] 出身地 - 小型怪獣 ドックン
- 光の国の渓谷地帯「ウルトラの谷」に生息するおとなしく温厚な宇宙怪獣で、少年時代のタロウと出会う[17]。言葉は話せないが、ウルトラ族とコミュニケーションが取れる知能を持ち、鳴き声で喜怒哀楽の感情を表現する[17]。飛行に失敗したタロウをからかうかのように笑ったために、彼に特訓相手にされ、一方的に殴りつけられる。それによって怒り狂い、タロウを追いかけ回すが、後に仲直りした。
- スーツは新規造形[6]。
- 2010年の円谷プロエイプリルフール企画では、ビジネスマンになったと語っている。
- ゲーム『帰ってきたウルトラマン倶楽部』では、ドックン星のドックン村に棲息している生命体として登場。ここでのイベントをクリアすると、次のエリアまで大砲で連れて行ってくれる。
流用映像での登場
キャスト
声の出演
スーツアクター
スタッフ
参照:[3]
主題歌
- エンディングテーマ「ウルトラマン物語〜星の伝説〜」
- 作詞 - 谷のぼる / 作・編曲 - 菊池俊輔 / 歌 - 水木一郎、こおろぎ'73
- 挿入歌「愛の戦士タロウ」
- 作詞 - 谷のぼる / 作・編曲 - 菊池俊輔 / 歌 - 水木一郎、コロムビアゆりかご会
「ウルトラマン物語〜星の伝説〜」はビデオ『ウルトラビッグファイト増刊号 ウルトラファミリー大集合!』と『ウルトラビッグファイト増刊号 激闘!ウルトラファミリー』、「愛の戦士タロウ」はビデオ『ウルトラ必殺技大百科 ウルトラマンタロウ編』でそれぞれ、エンディングテーマとして流用された。
映像ソフト化
後年への影響
『ウルトラマンマックス』(2005年 - 2006年)第24話に本作品のポスターが登場している。
本作品でタロウの声を演じた石丸博也、ウルトラの母の声を演じた池田昌子らは、『ウルトラマンメビウス』(2006年 - 2007年)でもタロウとウルトラの母の声を演じ、タロウについては『ウルトラマンギンガ』(2013年)などの『メビウス』以後のタロウが登場するウルトラシリーズの各作品で石丸が演じている。
脚注
注釈
出典
- ↑ “ウルトラマン物語|一般社団法人日本映画製作者連盟”. db.eiren.org. 2020年10月20日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9
- 日本特撮・幻想映画全集 1997, p. 292, 「1980年代」
- 日本特撮・幻想映画全集 2005, p. 300, 「1980年代」
- 1 2 3 4 5 特撮全史 1980-90年代 2020, p. 146, 「円谷プロダクション 1980's-1990's」
- 1 2 3 4 5 6 7 8 特撮全史 1980-90年代 2020, pp. 90–91, 「1984 再燃 ウルトラマン物語」
- 1 2 3 4 UPM vol.11 2020, pp. 30–31, 「ウルトラ特別企画vol.10 1984年の挑戦 タロウをメインに据えたウルトラワールド再編の試み!!」
- 1 2 竹書房/イオン 編「BonusColumn 銀幕で復活するTVヒーローたち」『超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み』竹書房、1995年11月30日、155頁。ISBN 4-88475-874-9。C0076。
- 1 2 『ウルトラマンAGE Vol.11』(辰巳出版)、22頁、「ウルトラマン物語」より。
- ↑ 「素晴らしきデジタル特撮音楽の世界!(文 早川優)」『エンターテインメントアーカイブ 電光超人グリッドマン』構成・執筆:中村宏治、ネコパブリッシング〈NEKO MOOK〉、2018年4月17日、161頁。ISBN 978-4-7770-2130-7。
- 1 2 3 4 5 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, pp. 198–199, 「70年代 - 80年代の劇場用作品」
- ↑ “コロちゃんパック ウルトラマン物語 3(邦楽)”. 駿河屋.jp. 駿河屋. 2020年10月20日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 画報 下巻 2003, p. 203, 「ウルトラマン物語」
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 大怪獣図鑑 2025, p. 230, 「ジュダ」
- 1 2 大辞典 2001, p. 167
- 1 2 3 UPM vol.11 2020, p. 25, 「宇宙怪獣、宇宙人、怪獣、怪人」
- ↑ X BDBOX II 2016, 「KAIJU LABORATORY」.
- ↑ ウルトラゾーン完全ガイド 2012, p. 71, 「ウルトラゾーンアイキャッチコレクション5」.
- 1 2 3 4 5 大怪獣図鑑 2025, p. 242, 「ドックン」
- 1 2 大辞典 2001, p. 231
- ↑ nishi_ogiの2026年7月14日のポスト- X(旧Twitter)
- ↑ “ウルトラシリーズ45周年記念 メモリアルムービーコレクション 1966-1984 DVD-BOX”. 円谷ステーション. 円谷プロダクション. 2011年5月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月20日閲覧。
出典(リンク)
参考文献
- 『日本特撮・幻想映画全集』勁文社、1997年6月5日。ISBN 4-7669-2706-0。
- 『日本特撮・幻想映画全集』朝日ソノラマ、2005年12月30日。ISBN 4-257-03720-2。
- 『ウルトラマン大辞典』監修 円谷プロダクション、中経出版、2001年12月21日。ISBN 4-8061-1556-8。
- 竹書房/ブレインナビ 編『ウルトラマン画報 光の戦士三十五年の歩み』 下巻、竹書房、2003年5月9日。ISBN 4-8124-0999-3。
- 『ウルトラゾーンオフィシャル完全ガイド』監修 円谷プロダクション、扶桑社、2012年8月11日。ISBN 978-4-594-06640-6。
- 大石真司、江口水基・島崎淳・間宮尚彦『円谷プロ全怪獣図鑑』円谷プロダクション監修、小学館、2013年3月11日。ISBN 978-4-09-682074-2。
- 講談社 編『特撮全史 1980-90年代 ヒーロー大全』講談社〈キャラクター大全〉、2020年1月7日。ISBN 978-4-06-512925-8。
- 講談社 編『ウルトラ特撮 PERFECT MOOK』講談社〈講談社シリーズMOOK〉。
- vol.11《ウルトラマンタロウ》、2020年12月10日。ISBN 978-4-06-520933-2。
- vol.21《ウルトラマン80》、2021年5月10日。ISBN 978-4-06-520944-8。
- 『ウルトラマンタロウ大怪獣図鑑』双葉社、2025年10月22日。ISBN 978-4-575-31994-1。
- Blu-ray『ウルトラマンX Blu-ray BOX II』(バンダイビジュアル BCXS-1027)封入 SPECIAL NOTES(構成・執筆:ガイガン山崎、島崎淳)