世界ジュニア柔道選手権大会(せかいジュニアじゅうどうせんしゅけんたいかい)は国際柔道連盟が主催するジュニア世代の世界選手権。以前は不定期開催だったが、1990年以降は偶数年開催となった。また、この年から女子の大会も始まった。さらに、2008年からはオリンピック開催年を除き、毎年開催となった。2013年から団体戦も施行されることになった。
概要
1996年の大会までは、大会開催年の12月31日時点で男子は21歳未満、女子は19歳未満がジュニア年齢と規定されていたが、1998年の大会からは男女とも20歳未満となった。さらに、2013年からは男女とも15歳以上21歳未満に変更された[1]。2010年からは各国とも男女各階級で2名の代表を選出できたが、2013年からは男女ともに代表が最大で10名までに制限された[2][3]。試合時間はシニアの大会と異なり、本戦は4分、延長は2分となる。2013年から延長戦は時間無制限となった[4]。また、2010年の大会では優勝者に2500ドル、2位に1500ドル、3位に1000ドルが授与された[5]。2013年の大会では個人戦の優勝者に2000ドル、2位に1400ドル、3位に800ドル、団体戦の優勝チームには4000ドル、2位に2800ドル、3位に1600ドルがそれぞれ授与された[6]。2014年からはメダリストの他にそのコーチにも賞金が支給されることになった。そのため、メダリストの賞金は従来より2割減となった(個人戦の優勝者に1600ドル、そのコーチに400ドル、2位に1120ドル、そのコーチに280ドル、3位に640ドル、そのコーチに160ドル、団体戦の優勝チームに3200ドル、そのコーチに800ドル、2位に2240ドル、そのコーチに560ドル、3位に1280ドル、そのコーチに320ドル)[7]。なお、2014年からはシニアに続いてジュニアでも世界ランキングが創設されたことに伴い、このランキングに基づいて各階級のシード選手が決定される[8]。2017年からは世界ジュニアの成績もシニアの世界ランキングにポイントとして反映されることになった[9][10]。なお、2019年からは2009年以来行われてきた男女の最軽量級である55kg級と44kg級が廃止された。また、開催国は各階級2名出場することが可能となった[11][12]。2020年の世界ジュニアは8月に開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期となったものの、12月までに新たに開催する可能性が検討されていたが、結局実施されなかった[13]。2021年から再開された[14]。
実施階級
- 個人戦
| 男子 |
| 60 kg 以下 |
60〜66 kg |
66〜73 kg |
73〜81 kg |
81〜90 kg |
90〜100 kg |
100kg 超 |
| 女子 |
| 48 kg 以下 |
48〜52 kg |
52〜57 kg |
57〜63 kg |
63〜70 kg |
70〜78 kg |
78kg 超 |
- 男女別団体戦(2013年-2015年)
| 男子 |
| 66 kg 以下 |
66〜73 kg |
73〜81 kg |
81〜90 kg |
90kg 超 |
| 女子 |
| 52 kg 以下 |
52〜57 kg |
57〜63 kg |
63〜70 kg |
70kg 超 |
男女混合団体戦(2017年、2018年)
| 男子 |
| 60 kg 以下 |
60〜73 kg |
73〜90 kg |
90kg 超 |
| 女子 |
| 48 kg 以下 |
48〜57 kg |
57〜70 kg |
70kg 超 |
男女混合団体戦(2019年ー)
| 男子 |
| 60〜73 kg |
73〜90 kg |
90kg 超 |
| 女子 |
| 48〜57 kg |
57〜70 kg |
70kg 超 |
獲得ポイント
| 順位 | ポイント |
| 優勝 |
700 |
| 2位 |
490 |
| 3位タイ |
350 |
| 5位タイ |
252 |
| 7位タイ |
182 |
| ベスト16 |
112 |
| ベスト32 |
84 |
| 1試合勝利 |
70 |
| 参加ポイント |
6 |
歴代の大会
男女大会
| 年 |
月日 |
大会 |
開催都市, 国 |
最多獲得メダル国 |
| 1990年 |
3月30 - 4月1日 |
第5回大会 |
ディジョン, フランス |
ソ連 |
| 1992年 |
10月9 - 11日 |
第6回大会 |
ブエノスアイレス, アルゼンチン |
日本 |
| 1994年 |
11月3 - 6日 |
第7回大会 |
カイロ, エジプト |
ロシア |
| 1996年 |
10月3 - 10月6日 |
第8回大会 |
ポルト, ポルトガル |
オランダ |
| 1998年 |
10月8 - 10月11日 |
第9回大会 |
カリ,コロンビア |
日本 |
| 2000年 |
10月26 - 26日 |
第10回大会 |
ナブール, チュニジア |
日本 |
| 2002年 |
9月12 - 15日 |
第11回大会 |
済州島, 韓国 |
日本 |
| 2004年 |
10月14 - 14日 |
第12回大会 |
ブダペスト, ハンガリー |
日本 |
| 2006年 |
10月12 - 15日 |
第13回大会 |
サントドミンゴ, ドミニカ共和国 |
日本 |
| 2008年 |
10月23 - 26日 |
第14回大会 |
バンコク, タイ |
日本 |
| 2009年 |
10月22 - 25日 |
第15回大会 |
パリ, フランス |
日本 |
| 2010年 |
10月21 - 24日 |
第16回大会 |
アガディール, モロッコ |
日本 |
| 2011年 |
11月3 - 6日 |
第17回大会 |
ケープタウン, 南アフリカ |
日本 |
| 2013年 |
10月23 - 27日 |
第18回大会 |
リュブリャナ, スロベニア |
日本 |
| 2014年 |
10月22 - 26日 |
第19回大会 |
フォートローダーデール, アメリカ合衆国 |
日本 |
| 2015年 |
10月25 - 29日 |
第20回大会 |
アブダビ, アラブ首長国連邦 |
日本 |
| 2017年 |
10月18 - 22日 |
第21回大会 |
ザグレブ, クロアチア |
日本 |
| 2018年 |
10月17 - 21日 |
第22回大会 |
ナッソー, バハマ |
日本 |
| 2019年 |
10月16 - 20日 |
第23回大会 |
マラケシュ, モロッコ |
日本 |
| 2020年 |
8月17 - 20日 |
中止 |
イスタンブール, トルコ |
|
| 2021年 |
10月6 - 10日 |
第24回大会 |
オルビア, イタリア |
フランス |
| 2022年 |
8月10 - 14日 |
第25回大会 |
グアヤキル, エクアドル |
日本 |
| 2023年 |
10月4 - 8日 |
第26回大会 |
オディべーラス, ポルトガル |
日本 |
| 2024年 |
10月2 - 6日 |
第27回大会 |
ドゥシャンベ, タジキスタン |
日本 |
個人記録
| Category |
男子 |
女子 |
| 個人戦最多優勝 |
2回
|
3回
舟久保遥香 : (2015年、2017年、2018年57kg級)
|
| 個人戦最多メダル獲得者 |
4個
|
4個
|
| 団体戦最多優勝 |
2回
山本悠司 : (2014年、2015年73kg級)
向翔一郎 : (2014年、2015年90kg級)
小川雄勢 : (2014年、2015年90kg超級)
古賀玄暉 : (2017年、2018年60kg級)
塚本綾 : (2018年、2019年73kg級)
木原慧登 : (2023年、2024年73kg級)
川端倖明 : (2023年、2024年90kg級)
|
3回
舟久保遥香 : (2015年、2017年、2018年57kg級)
|
| 団体戦最多メダル獲得者 |
3個
|
3個
|
| 個人戦団体戦最多優勝 |
4回
川端倖明 : (個人戦、団体戦2023年、2024年90kg級)
|
6回
舟久保遥香 : (個人戦、団体戦2015年、2017年、2018年57kg級)
|
| 個人戦団体戦最多メダル獲得者 |
7個
|
6個
|
| 最年少優勝 |
|
濵田早萌 : 15歳297日(2010年44kg級)
|
| 最年長優勝 |
|
坂口仁美 : 20歳287日(2014年44kg級)
|
| 最年少メダリスト |
|
イレーナ・トカルツ : 15歳57日(1990年61kg級2位)
マウレーン・フルーフセマ : 15歳57日(2006年52kg級2位)
|
| 最年長メダリスト |
ヤヌス・ザウス : 20歳353日(1976年93kg級3位)
|
ディアナ・ジガロス : 20歳296日(2015年63kg級2位)
|
| 親子優勝 |
|
|
| 兄弟優勝 |
|
|
メダル獲得の変遷
日本の男子は1992年までコンスタントに金メダルを獲得していたが、後に全日本女子の監督となる吉村和郎がジュニアの監督になってからは、1994年、1996年と金メダルは獲得できずに終わった。その後再び金メダルをコンスタントに獲得することになるが、吉鷹幸春が監督に就いた2006年、2008年はまたもや金メダルを獲得することができなかった。しかしながら、大迫明伸が新たに監督に就いた2009年には、全8階級の内4階級で金メダルを確保することに成功した。その後も2大会続いて過半数で金メダルを獲得するに至っている。
一方女子は、大会が始まった1990年こそ金メダルをとれなかったものの、その後はコンスタントに金メダルを取り続け、特に21世紀に入ってからは圧倒的な強さを示している。2009年には男子と同じく8階級の内4階級で金メダルを獲得しただけではなく、2000年に続いての全階級でのメダル獲得を達成した。この勢いは止どまらず、2011年の大会では前年と同じく各階級で2名がエントリーできたがその権利を行使せず、全階級1名しかエントリーしなかったにもかかわらず、実に8階級のうち7階級で金メダルを獲得するまでに至った。男子は2017年までに40個、女子は57個の金メダルを獲得しているが、21世紀に入ってからは男子が24個に対して、女子は実に49個もの金メダルを獲得していることからも、女子の活躍が際立っていることが分かる。
ただし、今まで男女ともジュニアでは数多くの金メダルを獲得しているものの、2017年時点で、シニアにおいてもチャンピオンになった選手は男子で12名、女子は10名に過ぎないことから、ジュニアで大活躍した選手がシニアでも継続して活躍していけるような状況をつくり出すことが、今後の課題となっていた[17][18]。