短距離走

ウィキペディアから、無料の百科事典

短距離走(たんきょりそう)とは、陸上競技のうち短距離を走る競技の総称。具体的には400mまでの距離において順位や記録を競うものをいう[1]。すべての種目で各選手は割り当てられたレーンを走る(セパレートレーン)[1]。

歴史

短距離走は紀元前776年に開催された最初の古代ギリシャの祭典(古代オリンピック)のときから実施されていた[1]。スタディオン走と呼ばれるもので約190メートルの距離をまっすぐに走る競技であった[1]。ただし、同時代の競走種目は開催する競技場によって長さが多少異なっていたといわれている[1]。

短距離走の種類

公式種目

100m走、200m走、400m走があり、100m走と200m走をショートスプリント、400m走をロングスプリントという[1]。

非公式種目

スタートとフィニッシュ

スタート

スタートはクラウチングスタートと定められており、スターティングブロックを使用する[2]。

スタートの方法

スタートの方法には以下のような方法がある。

ショートスタート
後足のつま先を前足の踵と平行になるようスターティングブロックを調整する[2]。一歩目の接地は最も早い方法だが、ブロックを押し出す力は弱く、上体が起こされやすくなるのが欠点である[2]。
ミドルスタート
後脚の膝が前足のつま先と平行になるようスターティングブロックを調整する[2]。最もオーソドックスで一般的な方法である[2]。
ロングスタート
後足を前足の踵から脛骨までの長さ以上に後ろに引いた状態でスターティングブロックを調整する[2]。一歩目の接地が他に比べて遅くなるといった欠点がある[2]。

不正出発(フライング)

2002年までは同一選手が2度不正出発したとき失格とされていた[1]。その後、2009年までは1回目いずれかの選手に不正出発があったときは全員に対して警告を行い、2回目のスタート時に不正出発を行った選手を失格としていた[1]。2010年からは1回目から不正出発を行った選手は失格としている[1]。

主要大会ではスターティングブロックへの不正スタート発見装置の取り付けが義務付けられておりスタートの号砲から0.1秒未満で反応した選手を検出できるようになっている[1]。

フィニッシュ

フィニッシュの判定

フィニッシュは決勝線(ゴールライン)にトルソー(頭、首、腕、手を除いた胴体部)が到達した時と定められている[3]。厳密には5cm幅のフィニッシュラインのスタート側線端に選手のトルソーが到達した時をフィニッシュとしている[1]。

フィニッシュの方法

フィニッシュの方法には以下のような方法がある。

ディップ
ゴール前の最後の一歩の蹴り上げに合わせて両腕を後方に引きつけて上体を前に突き出すようにフィニッシュする方法[3]。
シュラッグ
ゴール前の最後の一歩の蹴り上げに合わせて肩をひねるように上体を傾けながらフィニッシュする方法[3]。
走り抜け
ゴール前に特別の動作を行うことなく疾走フォームを維持したまま走り抜ける方法[3]。

追い風参考記録

短距離走の公式種目のうち100m走と200m走では追い風が2.0m/sを超えると追い風参考記録となる[1]。

追い風2.0/sの判定基準は100m走の場合はピストル合図から10秒間を基準とする[1]。200m走の場合は先頭の選手が直走路に入ってから10秒間を基準とする[1]。

世界大会における日本人メダリスト

100メートル競走

男子
年 大会 年齢区分 開催地 選手 メダル 記録
1965 ユニバーシアード 学生 ハンガリーの旗 ブダペスト 飯島秀雄 金 10秒1 (+5.0)
2009 ユニバーシアード 学生 セルビアの旗 ベオグラード 江里口匡史 銅 10秒33 (-0.7)
2010 ユースオリンピック ユース シンガポールの旗 シンガポール 梨本真輝 銀 10秒51 (+0.1)
2011 世界ユース選手権 ユース フランスの旗 リール 大瀬戸一馬 銀 10秒52 (-0.3)
2013 ユニバーシアード 学生 ロシアの旗 カザン 山縣亮太 銀 10秒21 (+0.5)
2014 世界ジュニア選手権 ジュニア アメリカ合衆国の旗 ユージーン 桐生祥秀 銅 10秒34 (-0.6)
2014 ユースオリンピック ユース 中華人民共和国の旗 南京 大嶋健太 銀 10秒57 (-0.5)
2015 世界ユース選手権 ユース コロンビアの旗 カリ サニブラウン・アブデル・ハキーム 金 10秒28 (-0.4)
女子
年 大会 年齢区分 開催地 選手 メダル 記録
2009 ユニバーシアード 学生 セルビアの旗 ベオグラード 高橋萌木子 銀 11秒52 (-0.3)

200メートル競走

男子
年 大会 年齢区分 開催地 選手 メダル 記録
2003 世界選手権 シニア フランスの旗 パリ 末續慎吾 銅 20秒38 (+0.1)
2005 ユニバーシアード 学生 トルコの旗 イズミル 高平慎士 銀 20秒93 (+1.1)
2007 ユニバーシアード 学生 タイ王国の旗 バンコク 神山知也 銅 20秒97 (+0.2)
2010 世界ジュニア選手権 ジュニア カナダの旗 モンクトン 飯塚翔太 金 20秒67 (+0.5)
2010 ユースオリンピック ユース シンガポールの旗 シンガポール 本間圭祐 銀 21秒27 (+0.4)
2013 ユニバーシアード 学生 ロシアの旗 カザン 飯塚翔太 銅 20秒33 (+2.4)
2015 世界ユース選手権 ユース コロンビアの旗 カリ サニブラウン・アブデル・ハキーム 金 20秒34 (-0.4)

400メートル競走

男子
年 大会 年齢区分 開催地 選手 メダル 記録
1997 世界室内選手権 シニア フランスの旗 パリ 苅部俊二 銅 45秒76
2000 世界ジュニア選手権 ジュニア チリの旗 サンティアゴ 石川慎二 銅 45秒77
2005 ユニバーシアード 学生 トルコの旗 イズミル 山口有希 銅 46秒15
2009 ユニバーシアード 学生 セルビアの旗 ベオグラード 金丸祐三 金 45秒68
2014 世界ジュニア選手権 ジュニア アメリカ合衆国の旗 ユージーン 加藤修也 銀 46秒17

脚注

  1. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 『21世紀スポーツ大事典』大修館書店、2015年、p.1285
  2. 1 2 3 4 5 6 7 『スポーツQ&Aシリーズ 実戦陸上競技 トラック編』日本陸上競技連盟編、大修館書店、1990年、p.50. ISBN 978-4469162165
  3. 1 2 3 4 『スポーツQ&Aシリーズ 実戦陸上競技 トラック編』日本陸上競技連盟編、大修館書店、1990年、p.75. ISBN 978-4469162165

関連項目