アイ・フォール・ダウン
| 「アイ・フォール・ダウン」 | |
|---|---|
| U2の楽曲 | |
| 初出アルバム『アイリッシュ・オクトーバー』 | |
| 英語名 | I Fall Down |
| リリース | 1981年10月12日 |
| 録音 | 1981年 |
| ジャンル | ロック、ポスト・パンク |
| 時間 | 3:39 |
| レーベル | アイランド・レコード |
| 作詞・作曲 | U2 |
| プロデュース | スティーヴ・リリーホワイト |
「アイ・フォール・ダウン」(I Fall Down)は、アイルランドのロックバンド、U2の楽曲である。1981年にリリースされた彼らの2枚目のスタジオ・アルバム『アイリッシュ・オクトーバー』の第2トラックに収録されている。
歌詞のテーマは、個人的な挫折や人間関係における複雑なもつれ、そして相互の依存について探求したものであり、「あなたが倒れるとき、僕も一緒に倒れる(When you fall, I fall with you)」というフレーズを通して、他者の痛みや失敗を共有する共感的な絆が歌われている。
音楽的には、ギタリストであるジ・エッジが初めて本格的にピアノの演奏を取り入れた初期の楽曲の一つとして知られており、アルバム『オクトーバー』全体に漂う内省的なトーンを象徴する仕上がりとなっている。
解説
本曲は、ボノが具体的な人物を想定して書いた可能性が指摘されている楽曲である。『October』ツアー中、ニューヨークのリッツでの公演に一人の女性がステージへ上がり、ボノと交流した。彼女は「ジュリー」と名乗り、後にボノは、彼女がニューヨークの裕福な弁護士の娘であったこと、精神的に不安定になってアイルランドへ戻り、キリスト教系のグループ「シャローム(Shalom)」に関わるようになったことを回想している。その後、彼女は、元ヴァージン・プルーンズのドラマーで、当時U2のロードクルーだったポッド(Podge)と交際するようになったという[1]。
一方、ヴァージン・プルーンズのメンバーだったギャヴィン・フライデーは、曲中に登場する「ジュリー」と「ジョン」が、この二人をモデルにしたものではないかと考えている。フライデーによれば、ポッドはもともと熱心なキリスト教徒だったが、シャロームに深く関わるようになった後、同グループを離れ、U2のロードクルーとなった。ジュリーもポッドとの交際を通じてシャロームの活動に関わるようになり、二人はグループの中心的な存在になったという[1]。
ただし、ボノ自身は本曲の「ジュリー」がこの女性をモデルにしたものだとは明言していない。ジュリー本人が自分について歌った曲だと考えていることについて、ボノは「彼女は自分のことだと思っている。誰がそうじゃないと言える?」と答えている。また、曲の着想についても「思い当たる人は本当にいない。曲のアイデアがどこから出てきたのか、まったく覚えていない」と述べている[1]。
『ホットプレス』誌のビル・グラハムは「メインコースとは言い難いが、食前酒のようなもの」とこの曲を評価している[2]。
脚注
出典
参考文献
- グラハム, ビル 著、川原真理子 訳『スーパーロックガイド/U2』シンコーミュージック、1998年。ISBN 978-4401615131。
- U2 著、前むつみ,久保田祐子 訳『U2 BY U2』シンコーミュージックエンタテイメント、2006年。ISBN 978-4401630417。
- Stokes, Nail (1996). Into the Heart: The Stories Behind Every U2 Song. Omnibus Press
- Bono (2025). Bono: Stories of Surrender. Penguin (Cornerstone). ISBN 978-1529160598