科学特別捜査隊
科学特捜隊(かがくとくそうたい)は、特撮テレビドラマ『ウルトラマン』(1966年 - 1967年)に登場する架空の組織。
本項目では、同番組に登場する防衛隊や自衛隊、その他のメカについても解説する。
概要
国際科学警察機構の下部組織で、正式名称は
日本(極東)支部の隊員で作品中に登場するのは5名で、ムラマツ隊長以下副隊長格のハヤタ隊員、アラシ隊員、イデ隊員、フジ・アキコ隊員。途中からホシノ少年も準隊員になり、ピグモンにも特別隊員の称号が贈られる(第37話)。パリ本部やインド支部の隊員が訪れることもある(第7話、22話、23話、31話、32話)[2]。
ムラマツ隊長以下のムラマツ班の他にも、『ウルトラマンメビウス』には宇宙での任務を目的としたサコミズ班が登場するほか、設定上はミナト班やヤマト班などが存在しており[6][2]、金城哲夫の小説では100人以上の隊員がいると設定されている。また、漫画『ウルトラマン 科特隊奮戦記 ジャイアント作戦』には、電波班・分析班・技術班などのほか、科特隊日本支部上層部の人間としてサイゴウ総司令、ミヤジマ副司令が登場する。
設定では、『ウルトラQ』に登場した一ノ谷博士らが中心となって日本支部を設立したとされ[7]、『ウルトラQ』と本作品の間の出来事を描いた円谷プロ公認のPCゲーム『ウルトラ作戦 科特隊出動せよ!』では、ウルトラマンが現れる以前から怪獣と戦っており、創設者の一ノ谷博士も最初はメンバーに入っていたが第1話「科特隊日本支部誕生」の六角村での核露怪獣ゴルドキング迎撃作戦時に重傷を負い、第一線から退いている[注釈 2]。第31話のムラマツキャップの話によると、少なくとも20年は歴史がある。
ビデオ『ウルトラマンのすべて!』(バンダイビジュアル)では科学特捜隊が創設されることになった理由として『ウルトラQ』に登場したゴメス、ゴロー、ペギラ、ガラモンの映像を見せている。
本来は戦闘よりも調査に重点を置いた組織として描かれているが、科特隊が独力で倒す怪獣も多く(科特隊がいなければ、ウルトラマンが倒されていたかもしれないケースもある)、その数は歴代の防衛チームで最多である[注釈 3][注釈 4]。
科学特捜隊隊員
隊員の名前はカタカナ表記のみで、フジ・アキコとホシノ・イサム以外のメンバーには名字しか設定されていなかったが、1996年公開の映画『甦れ!ウルトラマン』で全隊員のフルネームと漢字表記が追加設定された。年齢は、TBS番宣課が発行した「ウルトラマンあらすじ集」第一集に基づく[8]。
- ムラマツ(ムラマツ・トシオ/村松敏夫)
- 年齢36歳[9]。科学特捜隊日本支部ムラマツ班隊長[10]。通称「キャップ」[注釈 5]。
- 部下を見守る良き隊長であり、謹厳実直な性格で部下からも慕われる[10]。その一方、必要なときには冷徹な判断を下すこともある[10]。侵略行為から地球を守るという科特隊の使命に対しては常に忠実であり、ウルトラマン[注釈 6]による破壊行為に対しても堂々と出動命令を下す決断力も持つ。また、バルタン星人の対策会議で攻撃に反対したり、ゼットン星人の円盤の侵攻に際しても攻撃を主張する部下をなだめるなど、慎重派の姿を見せる。ウルトラマンが宇宙に帰っていく際、寂しさに駆られる部下たちに向けて、「地球の平和は我々、科学特捜隊の手で守り抜いていこう」と告げた。パイプ煙草とコーヒーの愛好者[9]。
- 『帰ってきたウルトラマン』の前身となる企画『続ウルトラマン』では、既に引退した老人で、再び現れた怪獣に苦戦する地球防衛組織に助言を与える人物として登場が予定されていた[11][12]。
- ハヤタ(ハヤタ・シン/早田進)
- →詳細は「ウルトラマン (キャラクター) § ハヤタ・シン」を参照
- フジ・アキコ(富士明子)
- 年齢21歳[9]。科特隊ムラマツ班の紅一点[10]。主に本部での通信オペレーションを担当するが、現場へも積極的に出動する活動的な隊員[10][9]。女性であることを理由に軽く見られることに対しては、少なからず反感を持つ。その一方、病人用のスープやチョコレート菓子を作って振舞ったり、自身の誕生石である真珠でおしゃれするなど女性らしい一面もあり、野点と怪獣供養では和服姿も披露する。第4話ではムラマツに「入隊以来一度も休暇を取っていない」と語られ、他の隊員たちに出動命令が下った中で一人だけ休暇を取っている。第14話では、プライベートでイデ隊員に銀座で買い物の付き添いをさせる。第24話では自分のミスで事態を悪化させたと思い込み、危険な水中任務を自ら志願するという責任感の強さも見せる。物語中、ザラブ星人がフジ隊員の姿に化ける、メフィラス星人に巨人化させられる、ケロニアやゼットン星人に一人でいるところを襲われるなど、宇宙人らの標的になることが多い。
- サトルという弟がいる。
- 映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』(2008年公開)では別世界の設定ながらハヤタと夫婦として登場する。
- イデ(イデ・ミツヒロ/井手光弘)
- 年齢24歳[9]。科特隊の科学担当で、数々の武器や装備を開発した発明マニア[10][9]。隊員たちの前ではコミカルなムードメーカーである[10]一方で繊細な面も持ち、自分のミスを償うために無謀な行動に出たり(第13話)、事情のある敵との戦いを躊躇する(第23話、第30話)こともある。また、ウルトラマンさえいれば防衛チームは必要ないのではないかという、後のシリーズで繰り返し問われるテーマをいち早く提起する(第37話)。
- 第2話と第12話でウルトラマンとハヤタが同一人物ではないかという疑念を抱く。
- 幼いころに母を亡くしたらしい(第30話)。
- 漫画『ULTRAMAN』では光の巨人記念館の館長に就任している。
- アラシ(アラシ・ダイスケ/嵐大助[注釈 7])
- 年齢26歳[9]。科特隊きっての射撃の名手にして怪力の持ち主[10][9]。人間大のグリーンモンスを投げ飛ばした[9]。スパイダーショットを筆頭に、イデの開発した銃器はほとんどアラシが使用する[10]。熱血漢であり、斬り込み隊長的な役回りが多く、そのためにバルタン星人にメッセンジャーとして体を乗っ取られる、ネロンガの電撃で気絶させられ、グリーンモンスの毒霧を2度も浴びせられるなど、しばしば危険な目に遭う。一見すると明るい性格だが、場合によっては一人で責任を背負い込むなどナイーブな面もある。第36話ではムラマツの命令に背いたために隊員の資格を一時剥奪される。
- 作中ではよくイデとコンビを組み[9]、二人の会話でストーリーが進むことが多い。
- ホシノ・イサム(星野勇)
- 年齢11歳[9]。科特隊本部にフリーパスで出入りしている少年[10][4]。本部への部外者の出入りは禁止されていると第20話で説明されるが、彼がどのような資格で出入りが許可されているのかは語られていない。第17話で「ハヤタを助けた」[注釈 8]功績により準隊員に任命されたが[9]、既に第16話で科特隊の制服を着用する。年少者であるため、放射能汚染が懸念されるような危険な現場への出動は認められていない。スパイダーショットでネロンガの片目を潰したり(第3話)、フジとミチコをラゴンから逃がすために自ら囮になったり(第4話)、ザラブ星人に捕らえられたハヤタにベーターカプセルを届けたり(第18話)、フジ隊員に代わって小型ビートルを本隊の指示を受けながら離陸させたり(第21話)と、子供ながら数々の功績を残す。
- 演者がスキー事故で骨折したため、第25話を最後に降板。作中では何の説明もないままの退場となった。
- 『超ウルトラ8兄弟』の初期プロット『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟2』では、成人している設定で登場[17]。
科学特捜隊の協力者
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岩本博士 ()- 40歳、御殿山の科学センター所長[8]。ジェットビートルの設計者であると同時に、フェニックス号などの高性能宇宙船も開発している。冷静な判断力とロケット工学や動物学などあらゆる方面の学問に精通する優れた頭脳で科学特捜隊に貢献している[出典 1]。
- 最終回では前日に作った無重力弾でウルトラマンでも倒せなかったゼットンを一瞬で倒した。
- ゲーム『ウルトラ作戦 科特隊出動せよ!』の設定では、科特隊初任務時に引退した一の谷博士に代わって科特隊顧問になったとされる。
日本支部基地
東京近郊(城西方面)に位置し、スロープに囲まれた五面体型で銀色の建造物と五面体型で黒色の建造物を組み合わせた「本部」と呼ばれる施設[注釈 9]。効率的に配置されたジェットビートルの発着ポートなどの付属建造物で構成されている[5][20]。外壁は、あらゆる光線や熱線を遮る特殊な合金を加えた鉄筋コンクリート製[1][2]。基地内部には、隊員たちが勤務する地下に大型電子頭脳が装備された司令室をはじめ、司令室の上階とポールで繋がる隊員寝室や、ホテル並みの環境が整った来客用のレスト・ルーム、回収された遺留品を研究する保管室に、新装備開発のための作業室などが置かれ、基地周囲には、自動消火装置や鉄壁も設置されている[5]。
24時間体制で隊員と守衛が常駐して備えている[5]。
第17話で、ブルトンが生み出した四次元空間に包まれ、第31話ではゴトウに化けたケロニアに侵入されるなど、襲撃を受けることも少なくない。また最終回では、ゼットン星人に侵入されて内部を破壊され、ゼットンの火球攻撃を受けて火災が発生する。
第38話と最終回である第39話では、司令室の大型電子頭脳以外に様々なレーダー機や計測器といったコンソールシステムが導入されている[注釈 10]。
『ULTRAMAN』の世界では表向き解体されており、日本支部はウルトラマンの軌跡、活躍を展示した「光の巨人記念館」となっている。
- デザイン・造形
- デザインは成田亨が担当[20]。最初に作られたセットは初期のライブ撮影後に取り壊され、その後は必要に応じて新たに作られた。第16話で作られたセットでは、ビートルの発射台にカタパルトが増設され、同時に周囲の骨組みや照明の色が変更された。第17話で作られたセットは、発射台の裏手を通るスロープの基部の形状やレーダーの位置が異なる[20]。第39話で作られたセットは、本棟と発射台の位置関係が異なる(そのためスロープがなくなっている)ほか、別棟の形状がまったく異なる[21][20]。
- 司令室は、東京美術センターの倉庫であったNo.3ステージの南側の一角に組まれ、大コンピューターの稼働をイメージさせるために、壁面コンピューターには大量に小型電球が配されている[22]。
装備
科学特捜隊は数々の特殊装備を持ち、状況に応じて運用している。装備の開発は主に科学センター所属の岩本博士[注釈 11]とイデ隊員が行っている。
隊員服
通常任務や非番の際は威圧感を与えないために青いブレザーとライトブラウンのスラックスとネクタイ(フジ隊員はスカート)、白いワイシャツを着用している[5][2]。作戦出動時の戦闘服はオレンジ色で、オレンジ色のネクタイ、黒いブーツとグローブをつける[5]。肩から背中はセーラー服のような処理がされており、ワイシャツのようにもなっている[24]。耐寒・耐熱性が高く、宇宙空間では簡易宇宙服の機能も持つ[25][26]。ネクタイピンのオートジャイロ[27]は放射能や電磁波を感知してランプが点滅する危険探知機である。また、放送初期段階の雑誌記事の設定のみではあるが、小型カメラがベルトのウルトラ=バックルにあり[24]、ウルトラネクタイは広げると20メートルの縄梯子になり、右胸のボタン・ウルトラ=ショック=ボタンの中には毒殺薬や怪獣用目潰し薬、怪獣を朦朧とさせる酔っ払いガスなどが仕込まれている[28]。ウルトラ=ベルトの中には照明弾となるスパーク金貨が仕込まれている[28]。左胸のスリットに収納するためのチャックがあるが、ハヤタのみの仕様である[29]。
普段着ている青いブレザーの下に出動時のユニフォームを身に着けており、着替えを必要としないのも、本作品だけの設定である。また、簡単な調査活動や一般市民への聞き込み、他の支部から来た隊員の出迎えなどの場合には、ブレザーのままで出る(第3話、22話、28話、31話、32話)。
銃器類・特殊装備
- 流星バッジ[26]
- 隊員全員(岩本博士を含む)が隊員服の襟につけている科特隊のエンブレム型バッジで、内蔵されているアンテナを伸ばして超小型の高性能通信機として使用される。普段は、服の裏地にあるパイプの中に収められている[29]。放映初期段階の雑誌記事では「送信星」とネーミングされていた[28]。
- 中央部にある流星マークは布製で、左右にあるカバーは金属の叩き出しである[29]。マークのライン処理が異なる2種類のものが存在する[24]。
- 通信機器の呼び出し音は、『三大怪獣 地球最大の決戦』のキングギドラの鳴き声を流用している[30]。

- ヘルメット[26]
- 出動時に被る特殊ヘルメット。丈夫な素材で出来ており、無線機と、防護バイザーを備える。放射能防御バリア機能も備わっており、第18話で使用された。話数や隊員によってバイザーの色が異なっている[24]。
- 防毒マスク
- ヘルメットの別添パーツ。第21話のみ使用された。ヘルメットの正面に装着してバイザーを下ろせば、顔面を完全に覆うことができる。あらゆる毒ガスから隊員の生命を守るために開発された高性能なマスクだが、ケムラーの吐く強烈な亜硫酸ガスに対してはあまり効果がない。
- 潜水用具[32]
- 第24話に登場。グビラに襲われた海洋センターの救助活動でフジ隊員が着用。ウェットスーツとアクアラングのみと動きやすく非常に軽装だが深海200メートルの水圧やグビラの巨体が起こす水流にも耐えることができる。
- 宇宙服[32]
- 第38話に登場。Q星での探査において隊員たちが着用した酸素ボンベとセットになった気密服。緊急時にはボンベから酸素を噴射させることで短時間ながら500メートルの飛行も可能。
- スーパーガン[1][26]
- 全長:25センチメートル 重量:1キログラム
- 隊員全員が腰のホルスターに携行する小型レーザー光線銃[1]。岩本博士、福山博士も装備。安全装置を解除すると基部に格納されていた銃身が瞬時に飛び出し、稲妻状の高出力レーザー光線(第5話では直線状、11話では連射する光弾状)を撃ち出す[25][26]。単独使用では怪獣を牽制する程度の威力しかないが、第37話では3人で銃口を合わせて格段に破壊力を向上させて一斉に撃つトリプルショットで再生テレスドンを倒す。パワーを絞ることで門扉の開閉スイッチを押すことも可能[5]。また、以下のような各種の特殊弾やアタッチメントを銃身に装着して、様々な戦術を行うことができる[1]。科特隊基地への来訪者に対しては、ムラマツがこの銃を用いて身体検査を行う(第22、31話)。
- 後年制作された『ウルトラマンダイナ』第41話の作中にも同型の銃が登場するが、本作品との繋がりを意図した演出ではない。また、小説『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』では、銃身を切り詰めたスーパーガン・コンバットタイプの存在が語られている。
- 撮影用プロップは金属を削り出して作られており[5]、後年のインタビューで桜井浩子がその重さのために苦労したと語っている。
- 特殊風船爆弾[32]
- 第8話に登場。命中すると風船爆弾が飛び出す。用心のためにピグモンに取り付け、さらに見失わないための目印とした。後にレッドキングの前に飛んだ瞬間スーパーガンで撃たれ爆発した。
- SOS信号弾[32]
- 第8話で登場。上空に色のついた煙を撒く信号弾を打ち上げる。
- 原子弾[32][注釈 13]
- 第19話に登場。バニラの目をつぶす。
- 麻酔弾[32]
- 第34話に登場。強力な麻酔機能でスカイドンを約10分間眠らせる。
- 新型麻酔弾[32]
- 麻酔弾と同じく、第34話に登場。麻酔弾より効果は強く、スカイドンに使用。
- UNG麻酔弾[32]
- 第26話に登場。ワシントン大学のスミス博士が開発した、米国製の新型麻酔弾。気温などにもよるが一発で6時間近くは効果がある。ゴモラに使用して眠らせるが、6時間より早く目を覚ます。希少な兵器で、ムラマツはNY支部に追加の麻酔弾を発注するが、在庫切れと回答される。
- 小型発信弾[33][注釈 14]
- 第27話でゴモラの尻尾に撃ち込み、移動するゴモラの位置を確認した。
- スパーク8[32]
- 第37話に登場。イデ隊員の発明した新兵器で、スーパーガンの銃身に装着したアタッチメントから強力な光弾を連射する。巨大怪獣の体を粉砕するほどの破壊力がある。再生ドラコ、ジェロニモンを撃破した。
- 無重力弾[32][注釈 15]
- 第39話に登場。岩本博士が一発のみ試作した強力爆弾で、ウルトラマンを倒したゼットンを、一撃で空中に浮かせ爆発させる。文献では形状が鉛筆に似ているためペンシル爆弾と表記されていることが多い[34]。
- スタミナカプセル
- 映画『甦れ!ウルトラマン』に登場。イデ隊員が開発した物で、ウルトラマンのスタミナを回復させる効果を持つ。ウルトラマンのカラータイマーに命中し、点滅していたカラータイマーを青にまで回復させる。上記の小型発信弾使用シーンのバンクが使われている。
- スパイダーショット[1][32]
- 全長:50センチメートル 重量:3キログラム
- イデ隊員が開発し、主にアラシ隊員が装備している高出力の大型熱線銃[1]。ホシノ少年でも扱いが可能。銃の後部上面にダイヤル式セレクターがあり、熱線、微小な威力のリング状光線、高熱火炎の3種類を撃ち出し、破壊力を敵に合わせて調整することも可能[25]。8種類の光線を発射可能なことから8本の脚を持つ蜘蛛にちなんで命名された、と紹介されることもある。動力源は超小型原子炉で、カセット式で交換できるとの設定がある[5](作中未登場)。火炎放射はスフランのツタを焼き切る。熱線はミイラ人間を倒し、ネロンガの片眼を潰す。
- マルス133[1][32]
- 全長:78センチメートル 重量:2キログラム
- イデ隊員が危急存亡に備えて密かに2丁製作した小型強力光線銃[1]。第16話で初登場する。マルス(Mars、火星)の名の通り、理論上スペシウム光線と同じ威力を有し[1][25][注釈 16]、バルタン星人(2代目)の小型分身を撃墜したり、ゴモラの尻尾を切断したり、ゼットン星人を銃撃して倒すなど、スパイダーショットに次ぐ主力火器として活躍する。ゼットンには全く効かない。プロップは『ウルトラセブン』の「パラライザー」に流用された。
- マッド・バズーカ[32]
- 全長:1メートル 重量:5キログラム[36]
- 第21話でホシノ少年の「相手の泣き所(弱点)を一発で」という言葉をヒントにイデ隊員が開発し、ケムラーを倒す。第29話では、強い光を放つコロナ弾で光に弱いゴルドンにダメージを与える。
- プロップは『ウルトラセブン』の「スパイダー バーチカルショットガン」に改造された。
- QXガン[1][32]
- 第36話に登場。イデ隊員が4年かけて開発した携行火器で[1]、QXとはQuick eXtinguish(急速な消滅)の略[5]。怪獣の細胞組織を一撃で破壊する特殊な火器[1]。ザラガス戦において使用。頭部を攻撃した際は自動反撃能力でさらに凶暴にさせるものの、ジェットビートルから口の中に撃ち込むことによってダメージを与える。
- 脚本では、可視光線に変換した宇宙線エネルギーを、敵の脳に直接発射し、中枢神経を分断する、という説明があった[37]。
- ニードルS80[32]
- 第38話に登場。イデ隊員が開発した新型携行大型火器で、スパイダーショットの10倍の威力を持つ。Q星でキーラに対して用いられるが、無効に終わる。
- プロップは後に黒と赤にリペイントされた上でウルトラ警備隊のエンブレムが施され、『ウルトラセブン』の「エレクトロHガン」に流用された。
- 熱線重機関銃[38]
- 第23話に登場。本体と銃架に分割して携行する。ジャミラに対して使用された。
- ナパーム手榴弾[32][注釈 17]
- 第8話に登場。ハヤタ隊員とムラマツキャップがベルト後部のボックスに入れて携行して使い、2発でマグラーを倒す。有効投擲距離は20メートル。
- 強力乾燥ミサイル[注釈 18]
- 第25話で使用されたもの。ギガスを乾燥状態にして粉々に砕く。作中ではイデ隊員が「ミサイル」と呼ぶが、実際にはビートル機の胴体底部の自動開閉弾倉から落とす「投下弾」タイプの兵器である。
- バリア・マシン[39][32][注釈 19]
- 第12話に登場。イデ隊員が開発したバリヤー発生装置で、この装置を背負った者を電磁幕が覆って怪獣の光線を防ぐが、物理的攻撃は防げない。小型原子炉が背部に装備されている[27]。アラシ隊員が使用してドドンゴの怪光線に効果を発揮するが、光線で飛び散った岩石の破片には効果がなく、アラシは負傷する。パーソナル・バリヤーという名称で紹介している文献もある。また、小説『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』では、ウルトラ警備隊のポインターに装備されている「光波バリヤーシステム」はこれの発展型とされている。
- パンスペースインタープリター
- 第16話に登場。イデ隊員開発の全宇宙語翻訳機で、バルタン星人(2代目)から科特隊本部への通信の翻訳で初めて実戦投入される(124875回路に接続)。これを発展させたという設定で『ウルトラマンメビウス』に同名の装置が登場する。
- 似たような用途の装置として、第37話に登場する怪獣語翻訳機がある。イデ隊員と東西大学の権田博士が開発した物で、ピグモンの言葉を自動翻訳するのに使用される。
- スペクトルα線・β線・γ線
- 第23話に登場。イデ隊員がムラマツが推測した透明化のメカニズムに基づいて徹夜で開発した三つの新兵器で、スペクトルα線は光の屈折を自由にコントロールする効果、スペクトルβ線は光の色彩吸収力を破壊する効果、スペクトルγ線は光の反射角度に制限を加える効果を持つ。ジェットビートルと小型ビートルに搭載されて使用され、ジャミラの見えない宇宙船を可視化させる。
- 流星ナイフ[26][4]
- 隊員服の肩の襟の裏に内蔵している流星型のナイフ。第2話でハヤタ隊員がバルタン星人に対して手裏剣のように投げつけるのが唯一の使用例。相手が消え去った痕の影から僅かな出血があっただけである。
- 流星マーカー[26]
- 第10話でイデ隊員が使用。ブーツ横に貼り付けられた科特隊のエンブレム(通称「流星マーク」)を模した万能マーカー。はがして木や壁に貼ることで、他の隊員にルートを指示する。
- 溶解器[40][32][注釈 20]
- 第24話でフジ隊員が使用。グビラに襲われた海底センターの救助のためにイデ隊員が急造したもので、海底センターの外装に使用されている特殊合金を溶断可能な能力を持つ。
- 消火液噴射装置[27]
- 第32話で使用。ビートル機の胴体底部に装備され、上空から噴霧装置で散布する。短時間のうちに山火事を消し止める。
- ハンド電波探知機[32]
- 高性能の探知装置で、接近するネロンガを確認するために使用された。
- 方位磁石[32]
- 多々良島での探索でイデが左腕に嵌めて使用した装置。
- 宇宙用追加装備[32]
- 宇宙空間での移動に使用する、ヘルメットと噴射装置兼用のボンベ。
- 身分証[32]
- 自身の身分証明のために隊員が携行する、プレート状の証明証。
- 磁力カウンター[32]
- 地底人のケリチウム磁力光波を出す機器を見つけた。
- 水爆探知機[32]
- レッドキング二代目が飲み込んだ水爆を見つけるために用いられたが、半径20キロメートルでしか反応しない[40]。
- スパイカメラ(ミノックス)[32]
- 28話でイデ隊員がバスの中で所持、31話でフジ・アキコ隊員がゴトウ隊員の所持品を撮影。
航空機
諸元 ジェットビートル 全長 18.5 m 全幅 13.8 m 重量 25 t 最高速度 マッハ2.2[注釈 21] 乗員 6名 - ジェットビートル[1][43]
- 岩本博士が機動性を重視して開発した科特隊の汎用戦闘攻撃機(VTOL機[1])。主兵装は機首のビーム砲や主翼端のロケット弾[44][注釈 22]で、地上に斜めに着陸して攻撃することも可能で、第35話ではシーボーズを攻撃した。さらに、機体下部や主翼下部に多弾装ロケットランチャー[46]や各種爆弾などの様々な兵器を装備し、第25話では強力乾燥ミサイルでギガスを倒す。コクピットにある銃架にマルス133やQXガンを装着して使うこともある。機体下部には上昇用ノズルが3基装備され、ホバリングや垂直離着陸が可能[27]。また、機体各部のハードポイントによって、特殊潜航艇S号やオートジャイロ、ベルシダーなど他の装備の設置、さらに乗員や怪獣の輸送にも用いられる[46]。基本的には6名が搭乗するが、1名でも操縦や怪獣への攻撃は可能[43]。作中には主にSIII[出典 2][注釈 23]・S115・117[出典 4]・118[出典 4]・119[43][4][注釈 24]、17[43]、19[43]の6機が使われ、最大で同時に同型3機が登場する[45]。
- ラゴンやアントラー、ギャンゴに撃墜・破壊されるが、ガマクジラやテレスドンの攻撃の直撃を受けながら緊急着陸に成功し、防衛隊のF-4戦闘機隊を一撃で撃破するメフィラス円盤の攻撃の直撃を受けながら、これを跳ね返しつつ、急降下攻撃を続ける頑丈さを見せる。
- 英語表記は「JET VTOL」だが、後年に追加されたもので、本放送当時は設定されていなかった[注釈 25]。
- 『ウルトラマンメビウス』第24話では、動態保存されていたという設定でウルトラホーク1号、3号と共に飛行する場面がある。
- 『レッドマン』時の第3話の脚本では、「ジェットVITOL」やヴィトル、ヴィートル、VTOL機などの記述があった[40]。
- 撮影用のプロップは、郡司模型製作所によって、ブリキの叩き出しで制作されており、同製作所が担当した、映画『妖星ゴラス』(1962年、東宝)に登場する「国連VTOL機」の約60センチメートルのミニチュアと同じ叩き出し用の木型が使われている[出典 5]。この「国連VTOL機」とは外見はほぼ同じため、資料によってはミニチュアそのものが流用されたと記述しているものもあるが[出典 6]、両者は別々のミニチュアである。撮影話数が進むにつれ、破損と修理が相次いだため、数多くのモデルが新たに制作されている。少なくとも3種類以上のサイズの物があり、場面によって使い分けられていた。素材も板金製と木製の2種があった。前述の板金プロップの他に東宝映画のバンクシーンが用いられ、第14話からはもう1機の板金プロップが製作された[40]。
- 後年に出版された書籍『U.W.W.〜ULTRA WEAPON WORLD〜』[51]には、本機の武装・索敵機器を取り外して座席数を増やした民間旅客機型を『ウルトラQ』の星川航空が所有しているという記述があるが、これは円谷プロ監修による「お遊び設定」であり、公式設定ではない。
- 宇宙ビートル[注釈 26]
- ジェットビートル117号の主翼端に岩本博士が水爆の原理を応用して設計した成層圏を短時間で越える性能を有する大気圏外用のハイドロジェネード・サブロケットエンジン(核パルス推進システムの一種)と核パルス推進ロケットを追加装着したもの[1][44]。第16話で初登場する[46][52]。以降、主に宇宙で起きた異変調査や隊員たちの宇宙パトロールなどに運用される(第22話、33話、35話)。SIIIに装備されたものも存在する[46][53]。
- 『ウルトラマンメビウス』第42話には、本機の改良型である「イカヅチ」(機体番号はS217)が登場する。
- ブルマァクのプラモデルでは「ビッグビートル」という商品名であり[52]、書籍によっては、「ハイドロジェネードロケット装備ビートル機[54]」、「ジェットビートル ハイドロジェネード・サブロケット装着タイプ[出典 7]」と記載している。
- ミニチュアは戸板板金工業が制作を担当[52]。エンジンの先端部の金属パーツには工業用のハニカムが使用されている[52]。カットによっては、SIIIにサブロケットを取り付けたものやサブロケットをビートルの30センチメートルプロップに装着したものを使用している[40]。エンジンをビートルに装着するシーンのアップ用のロケットエンジンと、後ろ半分のみのビートルのミニチュア、それに合わせて大きく作られた基地内のセットが作られた[52]。
諸元 小型ビートル
(三角ビートル)全長 15.5 m 全幅 10.5 m 重量 17 t 最高速度 マッハ1.5 乗員 2名[1] - 小型ビートル[1][43]
- 通称三角ビートル。作中ではジェットビートルと区別なく単に「ビートル」と呼ばれる。
- ジェットビートルと同じく岩本博士が開発し、コクピットに銃架を備えた支援機。主に偵察や観測に使われる[1]。当初は、パトロール用として使用されていたが、ガマクジラ戦からは戦闘任務に投入された。
- 一種のリフティングボディ機で、動力はロケットエンジン。武装として機首のビーム砲とロケットランチャー、機首とコクピット下部からのフラッシュ光を有する[46]。また、自動追尾飛行や本部基地からの遠隔操縦が可能で、第16話で金星ロケット「おおとり」が2段ロケットを点火するまでの間護衛する。
- 登場話数は第1話、14話、16話、19〜21話、23話。活躍はほぼ中盤に集中しており、終盤は全く出番がない。
- 第1話でウルトラマンとの衝突時にハヤタが乗っていた「ビートル」は本機である。
- この機はVTOL機ではなく短距離離着陸(STOL)機なので、離着陸は垂直に近いかなりの急角度で行う。第21話では後部を下にして、テイルシッター式の垂直離着陸を披露する。
- デザインは成田亨によるもの。当初は主力戦闘機という予定であった[4]。脚本では、スモール・ヴィートルや小型VTOLなどと表記されている[40]。後年、ジェットビートルが原型流用された物で不満があったためデザインしたとコメントしており、非公式にではあるが「ビートル2号」と呼んでいた。
- ミニチュアは木製の約30センチメートルのもの、金属板金製の60センチメートルプロップのものがあり、フラッシュが付いたものや機首が透明パーツではないものなどがある[40]。コクピットにはパイロットの人形が1体置かれているが、劇中では2人乗っていることもある[56]。第1話で使用されたミニチュアは、特撮監督の原口智生が所有している[56]。
- F-4戦闘機[注釈 27]
- ニューヨーク支部の装備。ジョンスン島にUMG麻酔弾を空輸する。また、防衛隊も本機を装備しており、ブルトンやアボラス、メフィラス星人の円盤などを攻撃する。
- 実在の戦闘機で、放送当時の最新鋭機であった。また本作品の放映時点では、実在の航空自衛隊には装備されていなかった。
- フェニックス[32][57]
- 第16話に登場する、岩本博士が開発・設計した金星探査用の高性能有人宇宙ロケット。ライバルである毛利博士の「おおとり」が通常の多段式ロケットとなっているのに対して、本機は未来的なデザインの単段式ロケットとなっている。人類初の有人金星探査は、毛利博士の「おおとり」に先を越されたが、99%の完成度で金星探査に向かった毛利博士に対して、岩本博士は100%の完成度を得るためにあえて飛行を延期したためであり、双方の完成度は同等であるという。
- 岩本博士が操縦し、R惑星に取り残された科特隊隊員の救助を行う。また、フェニックス用のハイドロジェネートサブロケットは宇宙ビートルに流用されている。
- デザインは成田亨が担当[58]。
- 造形は郡司模型が担当[58]。旋盤加工した丸太で、こけしに似た方法で造られたという[58]。書籍によっては納品後に現場で塗り直されたため、映像とは異なっている[58]。怪獣倉庫に残っていたものは、アンテナは片方紛失していたが、はんだ付けして加工した針金で復元している。アンテナの先端にはピンポン玉が付いていたが、ピンポン玉の規格が2000年に変わったため、1960年代のピンポン玉で修復している[58]。
- 発着シーンは、映画『宇宙大戦争』のスピップ号や映画『地球防衛軍』のマーカライトジャイロと同様に奥多摩の吊り橋から吊って撮影された[59][58]。
- 操演の中島徹朗は、ミニチュアはロケット噴射用の火薬が爆発して大破し、作り直してから撮影されたと証言している[59]。
- 岩本博士の研究室に置かれているフェニックスの模型は、『怪獣大戦争』で使用されたP-1号の大型モデルを流用している[60]。
- しらとり(白鳥[出典 8])
- 第38話に登場する白黒のツートンカラーの科特隊専用の大型宇宙ロケット。船体ナンバーは「SE105」。主な武装はないが、主翼両端にはメインブースターを装備している。岩本博士によって開発された物で、交信を絶った宇宙ステーションV2の救助に赴く際に使用される。航空機に近い形状をしており、底部にエアロックや搭載している探険用の宇宙タンクを下ろすためのハッチを有している。また、ジェットビートルと同様に垂直離着陸が可能。わずか28時間強でV2の軌道に到達するが、キーラの襲撃になす術がなかった。
車両・潜航艇
- ミニチュア制作は郡司模型製作所。
諸元 科特隊専用車 全長 4.9 m 全幅 1.9 m 重量 1.6 t 最高速度 時速190 km 乗員 5名 - 科特隊専用車[1][43]
- 日本支部で使用されている車輌。後のウルトラシリーズに登場する車両と異なり、特に武装や特殊機能はないが[1]、通信機など高性能の探査機器は装備されており、ボディとエンジンとシャーシも強化され[25]、頑強に改造されている。主にパトロールや基地近隣への移動に使われる[1]。そのうち、1台が第23話で透明円盤の噴射に巻き込まれて爆発する。
諸元 ベルシダー 全長 7 m 全幅 1.2 m 重量 37 t 最高時速 20 km(地中掘削時) 乗員 3名 - ベルシダー[43]
- 第29話に登場する、削岩ドリルを装備したイデ隊員が設計し、科学センターが製作した試作地底戦車。前後の圧力に対して強靭であり、自動車と同様の操縦方法である[40][4]。車体上部の熱線銃と地底魚雷が武器[25]。
- 三菱・ジープ
- 第21話に登場する白塗りのジープ。イデとホシノ少年が乗車し、完成したマッドバズーカを乗せて、ケムラーが暴れる大武山に駆け付ける。この他にも、防衛隊や警察のものと思われるジープが各話に登場する。
- 火炎砲車[27]
- 第23話に登場する大型車両。車体後部に大型の火炎放射器1門を装備している。ジャミラに対して使用されるが、高温への耐性を身に付けていたジャミラには通用しない。防衛隊の火炎放射戦車とは別物である。
- 高射砲[注釈 30]
- 第23話に登場する自走高射砲。ベース車両は16輪の大型トレーラートラックで、トレーラーの荷台に高射砲1門を装備している。水が苦手なジャミラを人工降雨弾で攻撃する。
- 宇宙タンク[40]
- スペースタンクとも。第38話に登場する高性能の宇宙探索用の万能タンクで、「しらとり」に搭載されており、腹部ハッチから発車する[43]。車体ナンバーは「SL77」。乗員は4名と推測される[4]。キャビンが2台の装軌式台車で支えられた形状をしており、4つの無限軌道を持ち、キャビン上部にSNKミサイルの発射装置を格納している。SNKミサイルでサイゴを倒す。
諸元 特殊潜航艇S号 全長 9 m 全幅 2.4 m 重量 40 t 最高速度 20 kt(水中) 乗員 5名 - 特殊潜航艇S号[43]
- 水中ジェット推進エンジンをもつ高性能小型潜航艇。艇下部に音波探知機(ソナー)、水中カメラ、先端にサーチライトなどを装備し、武器は主翼先端から連射する魚雷[1][注釈 31]。第24話では操縦席が2階式になった[40]。S21号のみ、操縦の際には酸素吸入器を使用している。ジェットビートルの胴体下面に吊下して空輸される際はセイルが艇体に収納される。作中にはS16号(第1話)、S21号(第10話)、S25号(第24話)の3隻が登場する[43]。
その他の装備
防衛隊(軍)および自衛隊
本作品には科特隊とは別に、通常の防衛組織が怪獣や宇宙人との戦闘に参加している。その呼称は防衛隊(軍)とされたり自衛隊とされたりしているが、明確な区別はない。また、東宝特撮映画に登場した架空兵器のプロップが流用されていることが多いのも特徴である。
防衛隊(軍)は第2・11・15話に登場する。戦力としては放映当時の自衛隊が装備していた61式戦車、M4中戦車(M4シャーマン[27])などの他、架空兵器である火炎放射戦車、メーサー殺獣光線車、熱線砲車などがある。火炎放射戦車はオリジナルの装軌式車両の上部に旋回式の火炎放射器を装備した物で、第9話ではガボラ、第15話ではガヴァドンBに対して攻撃を行う他、第15話でもギャンゴに対して出動する。熱線砲車は『怪獣大戦争』(1965年、東宝)に登場したAサイクル光線車の牽引車をオミットし、本体から拡声器と照明塔を外したもので、第3話ではネロンガ、第11話ではギャンゴに対する攻撃に使われる[66][67]。第3話ではAサイクル光線車のものと同じ見た目の光線を放つが、第11話では直線的な赤い光線に変わっている。その牽引車に本体から外した照明塔をつけて改造した照明車も、『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』(1966年、東宝)で使われた後、第15話で使用され、ガヴァドンAを包囲する戦車群の中に見られる。メーサー殺獣光線車は、第11話で熱線砲車と共にギャンゴへの攻撃に向かう姿が確認できるが[66]、その後の戦闘シーンは描かれておらず、こちらも牽引車は使われていない。また、第2話では本部と思われる防衛基地が登場。都心に現れたバルタン星人に対し、防衛基地の屋上に備え付けられたランチャーから新型核ミサイル「はげ鷹」[32]を2発発射するが、小爆発を起こしただけでほとんど効果がない[注釈 32]。
自衛隊は第4・26・27・34・39話に登場する。第4話で海上自衛隊の護衛艦[注釈 33]がイデ隊員の提案でラゴンに音楽を聞かせる。第26・27話で伊丹市に駐屯している陸上自衛隊のロケットランチャー・トレーラーがゴモラを攻撃する。また第27話では61式戦車やM4などの実在兵器の他に、9連装の装輪式自走ロケット砲とおぼしき架空兵器が登場する。第34話では科特隊が怪獣風船化作戦で浮かび上がらせたスカイドンを航空自衛隊のF-86F戦闘機が誤って撃墜してしまった。航空自衛隊は第39話にも登場し、精鋭パイロットからなる戦闘機編隊がゼットン星人の円盤群迎撃のために出動して一部を撃墜するが、逆襲を受けて全滅する。同話では出撃シーンにはF-86Fが、戦闘シーンではF-104もしくはX-3に類似した形状の架空機[注釈 34]が登場する。
上記以外にも防衛組織が敵を攻撃する場面のある話は多く存在する(第3・9・17 - 19・21・23・31 - 33話)。だがそれらの多くでは、その組織が防衛隊、自衛隊、あるいは機動隊のいずれに属するのかについて触れられていない。第18話では『モスラ』(1961年、東宝)に登場した装軌式ミサイル車両がにせウルトラマンを攻撃する。
この他の防衛組織としては、第22話に「国際宇宙開発軍」なる組織の名前が登場する[68]が、その詳細については特に言及されていない。また、第25話には「地球防衛委員会」という組織が登場する。こちらは国際的な組織のようであり、彗星ツイフォンからの放射線による水爆の自然爆発を防止すべく、世界中の核保有国に対して水爆の安全性強化を命令する。『ウルトラマンレオ』第25話「かぶと虫は宇宙の侵略者!」にも同名の組織が登場するが、関連性については特に触れられていない。
その他のメカ
- ML-1
- 第4話に登場する輸送用の大型ロケット。木星開発用の原子爆弾「AB-Z-01」6個を宇宙ステーションへ輸送する任務に就いていたが、爆発事故(前述の原爆とは無関係)を起こし太平洋上へ墜落、この際に1発の原爆が爆発したことで周辺の島々に津波の被害を起こし、残りの原爆が周辺海域に散らばり4発は回収されたが最後の1発が不明(実は巨大化したラゴンに引っかかっていた)なまま作中につながる。またこの原爆には、1発でも関東地方全域を吹き飛ばす威力がある。
- プロップは映画『地球防衛軍』に登場したマーカライト・ジャイロの流用。
- オオトリ[69]
- 第16話に登場する人類初の有人金星探査ロケット。現実的なデザインの三段式大型宇宙ロケットで、三段目がそのまま宇宙船となる。高度15万キロメートル上空までマッハ6以上のスピードで短時間で打ち上げられる。全体的な形状はサターンVに類似している。また、船内には人工重力が働いている。開発者である宇宙開発研究所の毛利博士が自ら乗り込み、人類初の有人金星探査に向けて打ち上げられる。
- ムラマツ隊長の台詞によれば完成度は99%であり、第二段ロケットの発火装置の安全性に疑問があるため、科特隊が救助体制を取る。これは杞憂に終わり、無事金星への航路に乗るものの、地球侵略とウルトラマンへの復讐を狙うバルタン星人の襲撃を受け、毛利博士はバルタン星人に乗り移られる。
- 宇宙ロケット[70]
- 第18話に登場する有人の土星探検ロケット。レイアウトはアポロ宇宙船のものに近い。土星の有人探査を目的としていたが、出発してから一カ月後に東京上空に出現する。軌道を間違え木星の周りを漂流していた最中にザラブ星人に救助され、地球へと誘導されたものとされていたが、実際にはザラブ星人の策略であり、搭乗員もザラブ星人によって催眠をかけられていた。
- 脚本では、「スペース・ドラゴン号」と記述。
- 人間衛星
- 第23話に登場する某国の有人宇宙船で、地球に帰還した際の形状は円盤型であった。かつての宇宙開発競争時代に宇宙飛行士ジャミラを乗せて打ち上げられたが、事故によって遭難し行方不明となり、その存在は非難を恐れた某国によって隠蔽された。
- その後、宇宙を彷徨いある星に漂着。そこで怪獣化したジャミラの手で修理と透明化機能の付与などの改造が行われ、自らを見捨てた地球への復讐を目論むジャミラを乗せて地球へと帰還し、国際平和会議の開催を妨害する。
- また、同話では宇宙開発時代を示す物として、ジェミニ宇宙船とサターンVの静止画像が例示されている。
- トータス号
- 第24話に登場する海底探検船。海洋研究所が保有する潜水艇で、強力な排水能力を有している。グビラに襲撃された海底センターの救援のために使用され、フジ隊員が溶解機によって焼き切った部位に排水ハッチを接続し、海底センター内部に取り残されたムラマツ隊長らを救出する。
- 月ロケット
- 第35話に登場する無人ロケット。月ロケットセンターが開発した日本初の月探査ロケットで、1号機と2号機が存在する。1号機には「EP-1」、2号機には「EP-2」とマーキングされている。
- 1号機は月へと打ち上げられたが、途中でシーボーズに抱きつかれ、地球へと落下する。2号機はシーボーズを抱きつかせ、怪獣墓場へ送り返すために使用されるが、一度目は失敗。その後、赤と銀で塗装された「ウルトラマンロケット」へと修理・改造され(脚本ではウルトラマンに似せたぬいぐるみをかぶせた)[71]、無事シーボーズを怪獣墓場へと送り返す。
- 『ウルトラマンメビウス』第21話にも、シーボーズに抱きつかれた状態で登場する。
- プロスペクター[72]
- 第38話に登場する無人の宇宙探査機。NASAがQ星探査計画「プロスペクター計画」のために開発した物で、宇宙ステーションV2から管制されている。Q星にてキーラに遭遇して光熱を中継した後、宇宙ステーションV2の修理のため、搭載していた三基のBMヒューズのうち一基を使用される。
- 宇宙ステーションV2[32][73]
- 第38話に登場する宇宙ステーション。地球から28時間強で到達する位置にあり、4人のNASAの宇宙飛行士たちが駐留している。Q星には往復20時間で到達する位置にある。プロスペクター計画の中継を行っていたが、キーラの発光によって放電管第3回路のBMヒューズが焼き切れた。科特隊が到着したころには、原子炉が24時間後には爆発する状態に陥る。科特隊はフジをクルーの介護役に残し、Q星のプロスペクター内のBMヒューズの1つを入手。大爆発5分前に修理を終えた。
- 『ウルトラセブン』にも同名の宇宙ステーションが登場する。
脚注
注釈
- ↑ 放送当時に人気であった『特別機動捜査隊』を意識したネーミングとなっている[3][4]。
- ↑ 雑誌記事(B-club 83 octobr 1992)では一ノ谷博士の死が記述されているが、ゲーム中にそのような描写はない。
- ↑ 科特隊が独力で退治する・あるいは大きなダメージを与えることに成功する怪獣はアントラー、マグラー、ミイラ人間、ペスター、等身大のバルタン星人群、バニラ、ケムラー、ギガス、ゴルドンNo.1、ザラガス、再生テレスドン、再生ドラコ、ジェロニモン、サイゴ、ゼットン星人、ゼットン
- ↑ これは「ウルトラマンと戦う怪獣は1話につき1体だけ」と決められていたため、怪獣が複数登場するエピソードでは残りの怪獣は他の怪獣に倒されるか科特隊が倒すかしなければならなかったからである。
- ↑ 時に「キャプテン」とも。
- ↑ 実はザラブ星人が変身した偽物。
- ↑ 満田かずほは毒蝮三太夫のYouTubeチャンネル『マムちゃんねる』に出演した際に「嵐大介」であるとしている[16]。
- ↑ ムラマツのセリフより。作中で実際にハヤタを助ける描写はないが、隕石の異変を早くから指摘し、ブルトンを発見するなど事件解決に貢献する。
- ↑ 資料によっては、名称を科学特捜隊本部と記述している[1]。
- ↑ これらの計器類は、第35話に登場した月ロケットセンターのセットを流用している。
- ↑ 書籍『ウルトラマンベストブック』には、岩本博士は対宇宙防衛研究所では山根博士に、電波研究所では一ノ谷博士に師事」という記述がある[23]。また同書籍では、『快獣ブースカ』物語の舞台であるブースカ横丁は科学特捜隊日本支部の近くにあるとされている。
- ↑ 書籍によっては、成田亨と記述している[28]。
- ↑ 書籍によっては「超小型核弾頭」と記述している[27]。
- ↑ 書籍によっては「小型発信器」[27]、「発信器」[32]と記述している。
- ↑ 書籍によっては「無重力爆弾」と記述している[27]。
- ↑ 火星には、スペシウム光線に含まれる物質スペシウムが存在するという設定である。
- ↑ 書籍によっては「携帯ナパーム弾」と記述している[27]。
- ↑ 書籍によっては「急速乾燥ミサイル」と記述している[27]。
- ↑ 書籍によっては「バリヤーマシーン」と記述している[27]。
- ↑ 脚本では、ジェット・バーナーという表記であった[41]。
- ↑ 書籍『ウルトラマン白書』ではマッハ2と記載している[42]。
- ↑ ミサイル[1](ミサイルポッド[45])という表記もある。
- ↑ 資料によってはS111と記述している[出典 3]。
- ↑ 後者3機はSなし。
- ↑ 他方で、当時の井上英沖の漫画版で「ヴィトル」という表現が確認できる(『新バルタン星人の巻』など)
- ↑ 書籍『全怪獣怪人 上巻』では、名称をハイドロジェネードロケット装備ビートル機と記述している[1]。
- ↑ 書籍によっては「F4EJファントムII」と記述している[27]。
- ↑ 書籍によっては円谷英二のものと記述している[40]。
- ↑ ハヤタ役の黒部進は撮影当時自動車運転免許を持っておらず、撮影初日にぶつけてしまったという。
- ↑ 書籍によっては「カノン砲トレーラー」と記述している[27]。
- ↑ 資料によっては、熱線砲も装備していると記述している[1]。
- ↑ 小説『ウルトラマン ジャイアント作戦』では、同型の限定核弾頭「オオトリ」がバルタン星人に対して使用される。
- ↑ 形状は日本海軍の甲型駆逐艦(駆潜艇[27]・陽炎型または夕雲型)がベース。
- ↑ この機体はF-104やX-3のような、細身の胴体に小型の尾翼がある超音速飛行性能を追求した機体に類似した形状を持ち、キャノピーが突出しておらずエアインテークの開口部も小さい。
出典
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- ↑ 『別冊映画秘宝ウルトラマン研究読本』洋泉社195ページ
- ↑ マガジンVOL.3 2022, p. 23, 「スーパーメカニック大全 宇宙メカニック編」
- ↑ マガジンVOL.3 2022, p. 27, 「スーパーメカニック大全 宇宙メカニック編」
出典(リンク)
参考文献
- 『不滅のヒーローウルトラマン白書』(初版)朝日ソノラマ〈ファンタスティック・コレクション・スペシャル〉、1982年12月31日。雑誌コード:67897-80。
- テレビマガジン特別編集(講談社)
- 大全集シリーズ
- 『ウルトラマン大全集』監修:円谷プロダクション、1987年4月14日。ISBN 4-06-178404-8。
- 『新・ウルトラマン大全集』監修:円谷プロダクション、1994年10月1日。ISBN 4-06-178418-8。
- 『大決戦!超ウルトラ8兄弟』構成・執筆・編集 小野浩一郎・岩畠寿明(エープロダクション)、2009年3月27日。ISBN 978-4-06-178434-5。
- 大全集シリーズ
- 『全怪獣怪人』 上巻、勁文社、1990年3月24日。ISBN 4-7669-0962-3。C0676。
- 『全怪獣怪人大事典』 中巻《東映・円谷プロ篇》、編集:井上嘉大、英知出版、2003年4月20日。ISBN 4-7542-2017-X。
- 『ウルトラQ空想特撮シリーズ ウルトラマン ベストブック』竹書房、1993年9月5日。ISBN 4-88475-211-2。
- 樋口尚文『テレビヒーローの創造』筑摩書房、1993年10月10日。ISBN 4-480-87226-4。
- 『ULTLAMAN(ウルトラマン)』講談社〈TV Magazine Hero Graphic Library{1}〉、1995年6月20日。ISBN 4-06-324901-8。
- 竹書房/ブレインナビ 編『ウルトラマン画報 光の戦士三十五年の歩み』 上巻、竹書房〈B Media Books Special〉、2002年10月4日。ISBN 978-4-8124-0888-9。
- ヤマダ・マサミ『大ウルトラマン図鑑』ホビージャパン、1996年。ISBN 978-4-89425-109-0。
- 『東宝特撮メカニック大全1954-2003』監修 川北紘一、新紀元社、2003年4月10日。ISBN 978-4-7753-0142-5。
- キャラクター大全(講談社)
- 講談社 編『ウルトラマン全調査報告』2012年12月20日。ISBN 978-4-06-218128-0。
- 講談社 編『特撮全史 1950-60年代ヒーロー大全』2017年11月29日。ISBN 978-4-06-220358-6。
- MAGAZINE HOUSE MOOK(マガジンハウス)
- 『大人のウルトラマン大図鑑』2013年10月1日。ISBN 978-4-8387-8847-7。
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- 洋泉社MOOK 別冊映画秘宝(洋泉社)
- 『ウルトラマン研究読本』2013年。ISBN 978-4-8003-0262-5。
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- 映画秘宝COLLECTION(洋泉社)
- 野村宏平、冬門稔弐『ゴジラ365日』2016年11月23日。ISBN 978-4-8003-1074-3。
- 有川貞昌 著、田端恵 編『有川貞昌 ゴジラの息子と円谷英二』2018年8月17日。ISBN 978-4-8003-1534-2。
- 講談社 編『ウルトラ特撮 PERFECT MOOK』講談社〈講談社シリーズMOOK〉。
- vol.02《ウルトラマン》、2020年7月28日。ISBN 978-4-06-519603-8。
- vol.03《ウルトラマンティガ》、2020年8月6日。ISBN 978-4-06-519973-2。
- vol.12《ウルトラマンオーブ》、2020年12月26日。ISBN 978-4-06-520934-9。
- vol.37《ウルトラマンゼアス / ウルトラマンUSA》、2022年1月11日。ISBN 978-4-06-521064-2。
- 講談社MOOK(講談社)
- テレビマガジン特別編集 ウルトラ特撮マガジン
- 《2020》2020年8月31日。ISBN 978-4-06-520743-7。
- VOL.2、2021年5月24日。ISBN 978-4-06-523014-5。
- VOL.3、2022年3月3日。ISBN 978-4-06-525946-7。
- テレビマガジン特別編集 ウルトラ特撮マガジン
- 『夢のかけら 円谷プロダクション篇』修復-原口智生 撮影-加藤文哉、ホビージャパン、2021年8月31日。ISBN 978-4-7986-2523-2。
- 雑誌
- 宇宙船(ホビージャパン)
- 『宇宙船』vol.175(WINTER 2021.冬)、2021年12月28日、ISBN 978-4-7986-2694-9。
- 『宇宙船』vol.185(SUMMER 2024.夏)、2024年7月1日、ISBN 978-4-7986-3564-4。
- 『宇宙船』vol.186(AUTUMN 2024.秋)、2024年10月1日、ISBN 978-4-7986-3649-8。
- 宇宙船(ホビージャパン)