谷合廣紀

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 谷合廣紀 五段
名前 谷合廣紀
生年月日 1994年01月06日(32歳)
出身地 東京都中央区
棋士情報
プロ入り年月日 2020年04月01日(26歳)
棋士番号 323
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 中座真八段
段位 五段
棋士DB 谷合廣紀
2025年7月10日現在
■テンプレート ■プロジェクト

谷合 廣紀(たにあい ひろき、1994年1月6日 - )は、日本の情報工学者、将棋棋士。東京都中央区出身[1]。お茶の水女子大学附属小学校[2]、獨協中学校・高等学校[3]、東京大学工学部電気電子工学科卒業、同大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻博士課程修了(博士(情報理工学))[4]。将棋においては中座真門下。棋士番号は323。

略歴

将棋棋士として

アマ有段者の祖父に教わり6歳から将棋を始める[5][6]。2006年に新進棋士奨励会に6級で入会。2011年9月に三段に昇段し、同年下期(第50回)より三段リーグに初参戦する。2016年下期(第60回)に3位(次点)があるものの[7]、なかなか上位2名の昇段枠に入れず、都合8年半(17期)にわたり三段リーグに留まる。

2019年10月スタートの第66回三段リーグにて14勝4敗でリーグ2位の成績を挙げ[8]、2020年4月1日付で四段昇段・プロ棋士となった[1][9]。東京大学出身のプロ棋士は片上大輔以来史上2人目、女流棋士の渡辺弥生を含めると史上3人目となる。

第47期(2021年度)の棋王戦予選・決勝で窪田義行に勝ち、本戦トーナメント進出[10]。一方で2022年2月10日、第80期順位戦C級2組において最終局を残した状態で、一つ目の降級点が確定した[11]。

2025年度の第38期竜王戦6組ランキング戦の決勝で古森悠太五段に勝利し初のクラス優勝、本戦進出を果たした[12]。

情報工学者として

将棋関連の活動と並行し、学業にも力を注いでいた。高校3年時の下半期に三段リーグ戦に初参加し11勝7敗の好成績を残す[13]一方で大学受験勉強も同時にこなし、現役で東京大学理科一類に合格した[14]。大学入学後は電子情報学を専攻した。

2014年には大学の授業に関連して、将棋盤面の画像解析による棋譜の自動記録プログラムを開発[15]。2019年3月には、自動車技術会主催の『Japan Automotive AI Challenge 自動運転AIチャレンジ』に、チーム「MTLLAB」の代表として参加し、シナリオ完走部門・制御精度部門の2部門を制した[16]。この大会での活躍によりベンチャー企業からのスカウトを受け、2020年7月現在、車載画像認識アルゴリズム開発に携わるエンジニアとして勤務している[17]。

2019年10月に四段昇格した際には、指導教官の坂井修一から、プロ入り後も電子情報学の研究者としての活動を継続することが公表された[18]。

棋士・情報工学者としての両方の知見を活かし、コンピュータ将棋の開発やゲーム情報学の研究にも従事する。2021年5月には、MCTS(モンテカルロ木探索)およびBERT(Transformerベースの機械学習手法)を応用した将棋エンジン「BERT-MCTS-YOUTUBE」を開発し、YouTubeチャンネル『予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」』内の動画で公開した[19]。 同年10月、プログラミング言語・Pythonの国際カンファレンス「PyCon JP 2021」に登壇し、「将棋とPythonの素敵な出会い」と題した基調講演を行った[20]。2022年5月の第32回世界コンピュータ将棋選手権には、自作の将棋ソフト「prelude」で参戦した[21]。2026年6月にリリースされた対戦型将棋ゲームの棋桜には、谷合が開発した将棋AIである「棋桜AI」が搭載された[22]。

棋士になって以降、「将棋が忙しくて研究に時間が取れない」という理由で休学した時期もあったが[23]、2026年に「博士(情報理工学)」を取得し、2026年9月18日の修了式では総代として答辞を読んだ[4][24]。

人物

  • 主に四間飛車を得意とする振り飛車党。
  • 集中の秘訣として「目標をあえて一つに絞らない」ことを挙げている[14]。
  • 酒好きで、主にビールや日本酒を飲む[3]。
  • 棋士では行方尚史と仲が良い。行方とはよく酒を飲みに行くほか、統計解析の書籍を出すことになったのも、監修を担当した辻真吾と行方が知り合いだったことがきっかけである[3]。
  • 大学院では『激指』の開発者である鶴岡慶雅の研究室を第一志望としていたが、そこには入れず坂井研に入ることになった[3]。
  • 6歳の頃からピアノを弾いており、26歳(2020年現在)の今まで約20年間ピアノ教室に通っている[5]。
  • プロになって良かったことは「Wikipediaに載ったこと」[25]。
  • 2022年8月12日に、文化人として吉本興業とマネジメント契約を結んだことが発表された[26]。吉本興業の将棋を愛する芸人たちによる部活動「関東将棋ブ!」の特別顧問をつとめる。
  • 2024年4月15日のスポーツ報知の報道で、山本博志五段と谷合でコンビ「銀沙飛燕」を結成し「M-1グランプリ」に挑む意向であることが報じられた[27]。コンビ名の「銀沙飛燕」(ぎんさひえん)は東京・将棋会館の対局室の名前に由来し、名付け親は女流棋士の西山朋佳[27]。しかし同年8月に行われた1回戦を突破できず敗退している[28]。

昇段履歴

  • 2006年9月 : 6級 = 奨励会入会
  • 2011年4月2日 : 二段(12勝4敗)[29][30]
  • 2011年9月3日 : 三段(12勝4敗)[30]
  • 2020年4月01日 : 四段(第66回奨励会三段リーグ成績2位) = プロ入り[1][9]
  • 2025年7月10日 : 五段(公式戦100勝)[31]

主な成績

在籍クラス

順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
出典[32]
(出典)竜王戦
出典[33]
期 名人 A級 B級 C級 0 期 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
2020 79 C252 4-6 34 6組 -- 1-1/昇1-1
2021 80 C239x 3-7 35 6組 -- 2-1/昇0-1
2022 81 C245* 5-5 36 6組 -- 0-1/昇1-1
2023 82 C232* 7-3 37 6組 -- 3-1/昇1-1
2024 83 C211* 6-4 38 6組 1-1 6-0 (1位)
2025 84 C220* - 39 5組 -- -
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

公式棋戦成績
年度 対局数勝数負数勝率(出典)
2020年度 3722150.5945[34] 通算成績
年度 対局数勝数負数勝率(出典) 対局数勝数負数勝率(出典)
2021年度 3615210.4166[35] 7337360.5068[36]
2022年度 3116150.5161[37] 10453510.5096[38]
2023年度 3420140.5882[39] 13873650.5289[40]
2024年度 3821170.5526[41] 17694820.5340[42]
2021-2024
(小計)
1397267
通算 17694820.5340[42]
2024年度まで

著書

  • Pythonで理解する統計解析の基礎(技術評論社、2018年9月)ISBN 978-4-297-10049-0
  • AI解析から読み解く 藤井聡太の選択(マイナビ出版、2021年12月)ISBN 978-4-839-97852-5

連載

脚注

注釈

出典

  1. 1 2 3 「新四段誕生のお知らせ」『日本将棋連盟』2020年3月7日。2020年4月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  2. ↑ “第30回小学生将棋名人戦【代表選手一覧】”. www.shogi.or.jp. 2020年11月26日閲覧。
  3. 1 2 3 4 東大大学院在籍中にプログラミング専門書を執筆し、奨励会を抜け将棋棋士になった谷合廣紀さんに聞く(2) - Yahoo!ニュース 2020年5月13日
  4. 1 2 「東京大学大学院で博士(情報理工学)を取得いたしました。」『X』2026年9月18日。
  5. 1 2 “「睡眠は8~10時間」プロ棋士&東大AI研究者の集中を維持する4つのコツ ダメなときはやる気になるまで待つ”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) (2020年9月17日). 2020年11月26日閲覧。
  6. ↑ “【王手報知】現役東大院生ルーキー・谷合新四段誕生「エンジニアと棋士の両立が理想」”. スポーツ報知 (2020年3月31日). 2020年11月26日閲覧。
  7. ↑ 第60回奨励会三段リーグ戦 - 日本将棋連盟
  8. ↑ 第66回奨励会三段リーグ戦 2019年10月~2020年3月 - 日本将棋連盟
  9. 1 2 「昇段・引退棋士のお知らせ」『日本将棋連盟』2020年4月1日。2020年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  10. ↑ 第47期棋王戦予選決勝 窪田義行vs谷合廣紀(2021年5月20日)
  11. ↑ 第80期順位戦 C級2組 10回戦・対伊藤匠対局後(2022年2月10日)、11回戦・対塚田泰明の対局前
  12. ↑ 「竜王戦:土俵際で谷合四段が▲3九銀の鬼辛抱、古森五段の△4七角は痛恨の失着で大逆転優勝…本戦初戦で山下数毅三段と対戦<6組決勝・古森悠太五段-谷合廣紀四段>」『読売新聞』2025年5月29日。2025年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  13. ↑ 第50回奨励会三段リーグ戦 2011年10月~2012年3月 - 日本将棋連盟
  14. 1 2 「プレジデントファミリー」(プレジデント社)2020年秋号
  15. ↑ 苗村研究室 OpenCV/OpenGLによる映像処理(3年後期実験課題)
  16. ↑ Japan Automotive AI Challenge自動運転AIチャレンジ 2019年3月23日(土)、24日(日)開催 結果発表 - PR TIMES・2019年3月25日
  17. ↑ 松元順子 (2020年7月27日). “プロ棋士、東大大学院生、自動運転ベンチャーのエンジニア。僕が3つの道を歩む理由”. www.businessinsider.jp. 2020年8月24日閲覧。
  18. ↑ 坂井修一のツイート(2020年2月17日)
  19. ↑ “プロ棋士の谷合廣紀四段がBERTを使った将棋ソフトを作られました” (2021年5月15日). 2022年1月20日閲覧。
  20. ↑ “1日目:「将棋×Python」がもたらしたものとこれから:PyCon JP 2021 カンファレンスレポート|gihyo.jp … 技術評論社”. 技術評論社 (2020年12月28日). 2022年1月20日閲覧。
  21. ↑ prelude アピール文書 - 第32回世界コンピュータ将棋選手権
  22. ↑ “棋士・谷合廣紀 五段が開発した将棋AI『棋桜AI』、対戦型将棋ゲーム『棋桜(KIOU)』に搭載決定” (2026年5月25日). 2026年9月18日閲覧。
  23. ↑ 「振り飛車」とAIと人間と|谷合廣紀×境家史郎 - 東京大学・2025年10月7日
  24. ↑ “令和8年度 東京大学秋季学位記授与式・卒業式を挙行” (2026年9月18日). 2026年9月19日閲覧。
  25. ↑ (日本語) 【同窓会】幼馴染が全員プロ棋士になったので集まりました【将棋】 2021年3月24日閲覧。
  26. ↑ 村瀬信也「吉本入りの将棋棋士、東大院では研究内容を変更 転機はユーチューブ」『朝日新聞デジタル』2022年8月12日。2022年8月13日閲覧。
  27. 1 2 『将棋界からM-1挑戦!谷合廣紀四段&山本博志五段がお笑いコンビ「銀沙飛燕」結成』スポーツ報知、2024年4月15日。
  28. ↑ 銀沙飛燕 - M-1グランプリ
  29. ↑ “関東奨励会初段【2010年10月~2011年3月】”. 日本将棋連盟. 2026年3月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年9月6日閲覧。
  30. 1 2 “関東奨励会二段【2011年4月~2011年9月】”. 日本将棋連盟. 2025年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年9月6日閲覧。
  31. ↑ 「谷合廣紀四段が五段に昇段」『日本将棋連盟』2025年7月11日。2025年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  32. ↑ 「名人戦・順位戦」『日本将棋連盟』。
  33. ↑ 「竜王戦」『日本将棋連盟』。
  34. ↑ 2020年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  35. ↑ 2021年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  36. ↑ 通算成績(2022年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2022年4月1日時点のアーカイブ)
  37. ↑ 2022年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  38. ↑ 通算成績(2023年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2023年4月1日時点のアーカイブ)
  39. ↑ 2023年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  40. ↑ 通算成績(2024年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2024年4月1日時点のアーカイブ)
  41. ↑ 2024年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  42. 1 2 通算成績(2025年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2025年4月1日時点のアーカイブ)

関連項目

外部リンク