紫雲出山
| 紫雲出山 | |
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紫雲出山 | |
| 標高 | 352.1 m |
| 国 |
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| 所在地 | 香川県 三豊市 |
| 位置 |
北緯34度14分41秒 東経133度35分44秒 / 北緯34.2447度 東経133.5956度座標: 北緯34度14分41秒 東経133度35分44秒 / 北緯34.2447度 東経133.5956度
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| 山系 | 七宝山系 |
紫雲出山(しうでやま)は、香川県西部の荘内半島に所在する、標高352.1メートルの山である[1]。
高い山ではないが、頂上部からは瀬戸内海の展望に優れ、また頂上部には桜や紫陽花などの花々が植えられた公園となっており、花と展望の名所として知られている[2][3][4]。
概要
紫雲出山は、香川県の西部、瀬戸内海へと細長く突き出した荘内半島の中ほどにある山である[1][2]。
行政区画的には、香川県 三豊市(旧;詫間町)に属する[1][3]。
紫雲出山のある荘内半島は、瀬戸内海へと15キロメートルほど細長く突き出したような形状をしている。紫雲出山は、標高約350メートルではあるが、同半島のなかでは最も高い山であり、また周辺は瀬戸内海に囲まれたようになっており、展望に優れている。また瀬戸内海国立公園に含まれる[2][3][4]。
山頂部は、桜などが植えられた公園状となっており展望台もあり、特に4月の桜の花の時期には大勢の人で賑わう。また紫陽花も植えられており、6~7月はその紫陽花の花が美しい季節である。見頃を終えた紫陽花はドライフラワーに加工され、桜保全の活動用資金に活用されている[5]。桜の葉が紅葉する晩秋や、冬場の空気が澄んで遠望が利く季節も含め、四季を通じて花や景色が楽しめる山である[2][3][4]。
この山は、瀬戸内海の優れた展望台として知られており、2019年(令和元年)にはニューヨークタイムズ誌(米国)が、「2019年に行くべき(世界の)52カ所」の一つに選定した。また2022年(令和4年)にはフィガロ誌(フランス)が、「日本で桜を鑑賞するのに最も美しい場所」として紹介しており、海外からも注目されている[3]。
またこの山は、四国百名山[6]の一つに選定されているほか、森林浴の森100選[7]、香川のみどり百選[8]、四国八十八景[9]、日本の夕景百選[10]にも選定されている。
紫雲出山(しうでやま)という山名は、ちょっと変わっており、かつ難読であるが、この荘内半島には浦島太郎伝説があり、『浦島太郎が開けた玉手箱から出た煙が、紫色の雲となってこの山にかかった』という民間伝承により、その名が付いたという[11]。この山の周辺には、浦島太郎に因んだ像などがある[2][4][6][注釈 1]。
この山は、山頂部まで麓から自動車道が整備されており、労せずに頂上部へと行くことができるが[注釈 2]、後述のように登山道もありハイキングにも適している[2]。
なお山頂部には二等三角点が設置されている。三角点の公式名称は山名と同じく「紫雲出山」、標高値は352.06メートル(作業年月;2024年12月)となっている[12]。
歴史
山頂部には、弥生時代の高地性集落跡の遺跡である紫雲出山遺跡が所在している。高地性集落は四国地方では他に、愛媛県 西条市の八堂山(はちどうやま、標高約200メートル)などがあり、他にも瀬戸内海沿岸に数多く分布している。
紫雲出山遺跡からは、鏃、石斧などが出土している[4][6]。現在は山頂部に、竪穴建物や高床倉庫が復元され、出土品の展示館もある。
弥生時代の高地性集落の多くは、見晴らしの良い場所にある。紫雲出山山頂部も、特に瀬戸内海側の展望が良いので、瀬戸内海を行き来する船などを見る用途ではなかったか、と推定されている[4]。
登山ルート
前述の通り、紫雲出山は山頂部まで自動車道が通じており、労せずに山頂部まで行くこともできるが、標高300メートル台の山なので、麓から歩いても1時間強で山頂部へ登ることができる。
登山ルートは南側の大浜地区から登るルートと、北側の箱峠(はことうげ)から登るルートがある。いずれもよく整備されている[2][6]。
また北側の登山口である箱峠から更に北へは、荘内半島の先端、三崎という名の岬までハイキング道が続いている[2]。
地形
四国本土部から10キロメートル以上も直線的に細長く突き出している荘内半島が、地形的にどのようにして形成されたのかは明確ではない。ただ、この半島には紫雲出山(352メートル)のほか、妙見山(320メートル)、七宝山(299メートル)など、300メートル前後の低山が連なっており、それぞれの山は、讃岐平野に多い残丘と考えられている[13]。
このうち紫雲出山と、荘内半島の付け根側の横峯山(279メートル)との間は、船越(ふなこし)と呼ばれる低地で、標高はわずか10メートル程度の回廊状となっている。かつての海進期にはこの「船越」の部分は水路となって、紫雲出山は、島となっていたと推定されている。現在はその間が繋がって陸繋島が連続した半島になっている、という見方がなされている[14]。
地質
紫雲出山は、飯野山(讃岐富士)や屋島など讃岐平野に多い、残丘状の山々と地質構造的には類似しており、2~3段重ねの地質構造となっている。
まず麓から標高約200メートル付近までは、基盤岩としての白亜紀後期の花崗岩類からなる。より正確に言うと花崗岩類の一種、花崗閃緑岩からなる[15]。
その上部は、新第三紀のうち中新世の火山岩類からなるが、この火山岩類も2層に分けられ、標高約250~300メートル付近の部分は、デイサイト質~流紋岩質の火山岩類からなる[15]。
北側の「箱峠」からの登山道を上がってゆくと、頂上部の少し手前に凝灰角礫岩の露頭がある。それより上、標高約300~350メートルの山頂部付近までは、安山岩質の火山岩が分布している[15]。公園状に整備された山頂広場には、芝生の中からこの安山岩質の火山岩が所々に顔を出している。これはいわゆる讃岐岩質安山岩(サヌキトイド)と推定されている。
讃岐平野に点在する、標高300~600メートル程度の低山や台地の多くは、この紫雲出山と同様に、その上部が中新世中期の火山岩類で形成されている。この15~12Ma頃[注釈 3]に生じた火山活動は、瀬戸内火山活動と呼ばれており、讃岐平野のほか、小豆島や近畿地方の一部にもみられる[16]。
この瀬戸内火山岩類を噴出した火山活動の要因としては、約20~15Maにかけて、元々はアジアの北東部に位置していた日本列島の元となる部分が、日本海の開裂、拡大とともに四国を含む「西南日本ブロック」[注釈 4]が南へと移動し、その後、現在の四国にあたる地域は、まだ比較的温度が高かった当時のフィリピン海プレートの上に強制的に乗り上げる恰好となり、その結果、プレート境界部付近でマグマが形成された為に火山活動が起こった、と推定されている[17]。
ギャラリー
- 紫雲出山遠望
- 竜宮城公衆トイレ
- 山頂三角点
- 山頂の桜
アクセス
鉄道から
- JR四国 :詫間駅から三豊市コミュニティバス(詫間線・詫間三野線)乗車、大浜にて荘内線乗り換え
道路から
- 香川県道232号紫雲出山線 - 詫間湾側(荘内半島の東側)
- 香川県道234号大浜仁尾線 - ひうち灘側(荘内半島の西側)
脚注
注釈
- ↑ 荘内半島における浦島太郎伝説の詳細は、「浦島太郎#香川県三豊市詫間町の浦島伝説」の項を参照のこと。
- ↑ 春の桜のシーズンなどは、混雑緩和の為一般車は通行禁止となる。代わりに麓からシャトルバスが運行される。三豊市のホームページなどを参照のこと
- ↑ "Ma"は、百万年前を意味する単位である
- ↑ ここでいう「西南日本ブロック」とは、現在の中部地方にある「糸魚川静岡構造線」より西側の部分を指す。但し沖縄など「南西諸島」は含まない。
出典
- 1 2 3 “地理院地図(電子国土WEB)”. 国土地理院. 2026年10月20日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 『分県登山ガイド(36)香川県の山』(2017年版)山と渓谷社、2017年6月1日、99-101頁。ISBN 978-4-635-02066-4。
- 1 2 3 4 5 “紫雲出山の項”. 三豊市ホームページ. 三豊市役所 (2025年3月24日). 2026年4月25日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 “紫雲出山の項”. 三豊市の観光スポット. 三豊市 観光交流局. 2026年4月25日閲覧。
- ↑ 四電ビジネス株式会社・編集『ライト&ライフ 6月号 NO.724』四国電力株式会社、2023年6月1日発行、p.15.
- 1 2 3 4 石川 道夫、清家 一明、三谷 統一郎、ほか4名(共著)『四国百名山』山と渓谷社、2000年9月10日、94頁。ISBN 4-635-53028-0。
- ↑ “森林浴の森日本100選”. 日本の森・滝・渚全国協議会. 2026年4月25日閲覧。
- ↑ “香川のみどり百選”. 香川県庁(みどり保全課). 2026年4月25日閲覧。
- ↑ “四国八十八景”. 四国地方整備局(四国八十八景実行委員会事務局) (2015年). 2026年4月25日閲覧。
- ↑ “日本の夕陽百選”. 日本百選 都道府県別データベース. 2026年4月25日閲覧。
- ↑ 谷川彰英『47都道府県・地名由来百科』丸善出版、2015年。ISBN 978-4-621-08761-9。
- ↑ “基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2026年4月25日閲覧。
- ↑ 太田陽子、成瀬敏郎、田中眞吾、岡田篤正(共著)「5-3章「四国側の平野」のうち、「讃岐山脈北麓の扇状地平野」の項」『日本の地形 第6巻 近畿・中国・四国』東京大学出版会、2004年6月4日、232-235頁。ISBN 4130647164。
- ↑ “「香川県:6つの陸繋砂州で繋がっている荘内半島と栗島」の項”. 日本の地形千景プラス. GeoInformation Potal Hub (2024年4月27日). 2026年4月25日閲覧。
- 1 2 3 “産総研「20万分の1日本シームレス地質図V2」”. 産業技術総合研究所 地質調査総合センター (2025年7月18日). 2026年4月25日閲覧。
- ↑ 「7-3章「瀬戸内火山岩類」の項」『日本地方地質誌 第7巻 四国地方』朝倉書店、2016年、249-250,258-264頁。ISBN 9784254167870。
- ↑ 「7-4章「西南日本外帯および瀬戸内火山活動の成因論」の項、ほか」『日本地方地質誌 第7巻 四国地方』朝倉書店、2016年、266-267、249-250頁。ISBN 9784254167870。
