蟠蛇森

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蟠蛇森
標高 770 m
所在地 高知県 須崎市・高岡郡 佐川町・高岡郡 津野町
位置 北緯33度26分28秒 東経133度15分34秒 / 北緯33.44111度 東経133.25944度 / 33.44111; 133.25944
山系 四国山地
蟠蛇森の位置(高知県内)
蟠蛇森
蟠蛇森
蟠蛇森 (高知県)
蟠蛇森の位置(日本内)
蟠蛇森
蟠蛇森
蟠蛇森 (日本)
プロジェクト 山
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蟠蛇森(ばんだがもり)は、四国山地の南縁部、土佐湾に近い場所に位置する、標高 770 mの山である [1][2] [3][4] [5]。

行政区画的には、南側が高知県のうち須崎市に、北東側が高岡郡 佐川町に、また西側の一部は高岡郡 津野町(旧;葉山村)に属しており、3つの自治体の境界部に位置している。須崎市街地からみると、その背後にそびえる山である [1] 。

なおこの山は、四国百名山の一つに選定されている [3] 。

またこの山を含む一帯は、高知県が指定した、須崎湾県立自然公園の範囲に含まれる[6]。

概要

四国山地は高知県、愛媛県、徳島県にまたがる大きな山地であるが、その南縁部は四国の南縁でもある、太平洋の海岸近くまで達している [1] 。

この蟠蛇森という山は、四国山地の南縁部に位置しており、土佐湾に面した港町 須崎市のすぐ北側にある山である[1] [2] [3][4] 。

1900 m 級の石鎚山や剣山を筆頭格として、1500 m以上の山々を多数擁する四国山地の中では、この山は標高 約770 mと低い方であるが、前述の通り須崎市や土佐湾のすぐそばに位置している為、須崎市の市街地からは無論のこと、土佐湾の海上からも良く目立つ山であり、沖へと漁に出た船からも目印として良く見えるため、古くから漁師にとっては重要な山であったという [2] 。 また四国百名山の一つに選定されている [3] 。

この山の山頂部には電波塔が林立しているが、山頂部の一角は公園状に整備されており、眼下に須崎市の街並み、その先には土佐湾を含む広大な太平洋の大展望が望める。また北側に目を移すと四国山地の重層たる山並みが望め、視界が良い日には遥かに石鎚山脈の山々も望めるという。そういう点では、展望の山ともいえよう [2] [4] [3] [5] 。

また須崎市側の山麓部(桑田山地区;そうだやまちく)には、雪割桜で知られる公園があり、2~3月の開花時には花見客でにぎわう[2] [3] 。

これら蟠蛇森からの展望や、山麓部の桑田山地区を含め、須崎市付近はリアス式海岸となっていて美しい景観があることから、蟠蛇森は、高知県が指定した、須崎湾県立自然公園の範囲にある[6]。

一方、北側の中腹にあり、佐川町と津野町との町境にもなっている、朽木峠という峠は、幕末期に、坂本龍馬が土佐藩から脱藩した際に通った峠と言われており、歴史的に興味深い山でもある[2] [3] 。

なお、この山の山頂部には一等三角点が設置されている。三角点の公式名称は「万朶森」、標高値は、769.82 m(作業年月;2024年12月)となっている [7]。

山名

蟠蛇森(ばんだがもり)という山名は、難読でもあり、かなり変わった山名である。この山名の由来としては、『かつてこの山には大蛇が住んでおり、その大蛇がしばしば女性の姿に化けて麓の住民を惑わして恐れられていたことから、その名がついた』という民間伝承がある [2] [4] 。

なお、この山の南側、須崎市側の山腹部は「桑田山」(そうだやま)と呼ばれており、桑田山神社、桑田山温泉なども南麓にある[2] [3] 。 但し「桑田山」というのは地域の名称で、蟠蛇森の別称というわけではない。

植生

この蟠蛇森は、いわば須崎市の裏手にある里山なので、四国山地の標高の高い山々と比べると、自然植生としては特筆すべきものはない。ただし山頂部付近は公園状に整備されており、春から初夏にかけてはツツジ類やハルリンドウ、秋にもリンドウ類が咲き、展望に花を添えている[5]。

また南側の山麓部、桑田山(そうだやま)地区には、雪割桜が約1000本も植えられており、まだ寒さが残る2月下旬から3月上旬に、艶やかなピンク色の花を咲かせ、その花の時期には多くの人で賑わう[2] [3] [8]。

登山ルート

この山は、南の須崎市側から車道が山頂部まで通じていて、労せずに山頂に至れる。その為、登山の対象としてはやや物足りない [2] 。

ただし北の佐川町側からだと、前述の坂本龍馬の話で知られる朽木峠の手前から登山道があり、朽木峠を経由して山頂に至る [2] 。

地質

まず、四国地方の地帯(地体)構造のうち、中部から南部にかけての構造、構成を大まかにみると[9]、中部にはジュラ紀の付加体を主体とした「広義の秩父帯」[10] [注釈 1] が、東西走向に分布しており、その南側に白亜紀から古第三紀にかけての付加体を主体とした四万十帯[11] が東西走向に分布している、という構成となっている。

この蟠蛇森とその周辺の地質構造は、ここでいう「広義の秩父帯」と、白亜紀の付加体としての四万十北帯との境界部(遷移ゾーン)となっており、やや複雑である。

蟠蛇森の山頂部付近は、ここでいう「広義の秩父帯」のうち[10]、ジュラ紀後期から白亜紀前期にかけての付加体からなり、具体的な地質体としては、「メランジュ相」の地質体が主で、その中に石灰岩体が点在している [12] 。最近のユニット区分では「三宝山ユニット」に帰属している、とされている [13] 。 [注釈 2] [注釈 3]

蟠蛇森の南側斜面(桑田山地域)から南麓、および須崎市の市街地周辺にかけては、白亜紀の付加体からなり、四万十北帯に属すると位置づけられている [11] 。最近のユニット区分では「須崎・日野谷ユニット」および「半山ユニット」に帰属している、とされている[13] 。具体的な地質体としては、主に砂泥互層が分布しており、ほかに砂岩や泥岩、および小さな石灰岩体が分布している [12] 。

一方、蟠蛇森の北側斜面は、ジュラ紀中期~後期の付加体からなり、ここでいう「広義の秩父帯」の一部とされる [10] 。最近のユニット区分では「斗賀野ユニット」および「大平山ユニット」に帰属している、とされている [13]。 具体的な地質体としては、砂岩やチャートが分布している [12] 。

ギャラリー

脚注

注釈

  1. ↑ ここでいう「広義の秩父帯」とは、高圧型変成岩からなる三波川帯と、白亜紀から古第三紀にかけての付加体からなる四万十帯との間の地域に分布している、各種地質体をまとめた「地理的地帯」(分布域)を意味する用語として使用する。具体的な地質体としては、「狭義の秩父帯」(地体)としてのジュラ紀の付加体のほか、ペルム紀の付加体、黒瀬川(構造)帯と呼ばれる古生代前期から中期の各種地質体群、トリアス紀~ジュラ紀の高圧型変成岩類、白亜紀の堆積岩層などを含む。この用語は、この項での説明の為のものであり、オーソライズされているものではない。「秩父帯」という地帯の定義が、研究が進むにつれ逆に不明確になっているため、このような表現とした
  2. ↑ 付加体の階層的区分法としては、上位区分を「○○付加コンプレックス」と呼び、その下位区分を「△△ユニット」と呼ぶ方式が、特に2000年ころ以降の日本の地質学の分野では、一般的によく使われている。ただし研究者や文献によって、「ユニット」の名称が異なることもある。ここでは添付の出典に基づいた
  3. ↑ ここでいう「広義の秩父帯」分布域のうち、四万十帯に近い部分のジュラ紀の付加体は、地帯名として「三宝山帯」(さんぼうざんたい)、あるいは「秩父南帯」(ちちぶなんたい)などとも呼ばれる

出典

  1. 1 2 3 4 “地理院地図(電子国土WEB)”. 国土地理院. 2026年5月5日閲覧。
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 高知県勤労者山岳連盟(著)「蟠蛇森の項」『分県登山ガイド (38) 高知県の山』(2019年版)山と渓谷社、2019年3月1日、110-111頁。ISBN 978-4-635-02068-8。
  3. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 石川 道夫、清家 一明、谷山 省一郎、井本 淳作、ほか3名(共著)「蟠蛇森の項」『四国百名山』山と渓谷社、2000年9月10日、80頁。ISBN 4-635-53028-0。
  4. 1 2 3 4 “蟠蛇森の項”. 山と渓谷オンライン. 山と渓谷社 (2025年11月7日). 2026年5月5日閲覧。
  5. 1 2 3 “蟠蛇森の項”. 須崎市観光協会ホームページ. 須崎市観光協会. 2026年5月5日閲覧。
  6. 1 2 “須崎湾県立自然公園の概要と見所”. 高知県庁ホームページのうち、「(高知県の)観光」の項. 高知県庁(林業振興・環境部 自然共生課) (2014年3月16日). 2026年7月24日閲覧。
  7. ↑ “基準点成果閲覧サービス”. 国土地理院. 2026年5月5日閲覧。
  8. ↑ “「雪割り桜(開花情報、アクセスなど)」の項”. 須崎市観光協会ホームページ. 須崎市観光協会 (2026年3月). 2026年7月24日閲覧。
  9. ↑ 日本地質学会 編「1-4章「四国の各地帯の概要」」『日本地方地質誌 第7巻 四国地方』朝倉書店、2016年、8-11頁。ISBN 978-4-254-16787-0。
  10. 1 2 3 日本地質学会 編「第5部「(四国の)秩父帯」(の各章)」『日本地方地質誌 第7巻 四国地方』朝倉書店、2016年2月25日、103-151頁。ISBN 978-4-254-16787-0。
  11. 1 2 日本地質学会 編「第6部(四国の)「四万十帯」」『日本地方地質誌 第7巻 四国地方』朝倉書店、2016年2月25日、203-204,217,225-227頁。ISBN 978-4-254-16787-0。
  12. 1 2 3 “産総研「20万分の1日本シームレス地質図V2”. 産業技術総合研究所 地質調査総合センター (2025年7月18日). 2026年5月5日閲覧。
  13. 1 2 3 原 英俊; 青矢 睦月; 野田 篤; 田辺 晋; 山崎 徹; 大野 哲二; 駒澤 正夫(共著) (2018年). “20万分の1地質図幅「高知」(第 2 版);(解説書)”. 20万分の1地質図(シリーズ) (産業技術総合研究所 地質調査総合センター) (NI-53-28(整理番号)).

関連項目

外部リンク