千羽ヶ岳

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千羽ヶ岳
標高 245 m
所在地 徳島県 海部郡 美波町
位置 北緯33度42分28.8秒 東経134度31分16.3秒 / 北緯33.708000度 東経134.521194度 / 33.708000; 134.521194座標: 北緯33度42分28.8秒 東経134度31分16.3秒 / 北緯33.708000度 東経134.521194度 / 33.708000; 134.521194
山系 四国山地
千羽ヶ岳の位置(徳島県内)
千羽ヶ岳
千羽ヶ岳
千羽ヶ岳の位置(日本内)
千羽ヶ岳
千羽ヶ岳
プロジェクト 山
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千羽ヶ岳(せんばがだけ)は、徳島県の南部、海部郡 美波町(旧:日和佐町)にある、千羽海崖と呼ばれる海食崖を持つ丘陵上にある、標高 245 mの山である[1] [2] [3] [4] 。千羽ガ岳とも表記される [注釈 1] [注釈 2]。

この山は標高は低いが、四国百名山の一つに選定されている [3] 。

概要・地理

四国の南東部は、海岸平野が少なく、標高 100~400 m程度の丘陵地帯が太平洋に面した地域であり、丘陵が太平洋の荒波によって浸食された海食崖が形成されている場所がいくつかある [1] 。千羽海崖は、その代表的なものであり、風光明媚なことから、室戸阿南海岸国定公園のうち、特別保護地域となっている [5] [6] [7] [8] 。

この千羽ヶ岳は、「丘陵としての千羽海崖」[注釈 1]のなかで、最も標高の高い地点である。ただし独立した山というより、その丘陵の一部であり、目立つ山容ではない [1] [2] [3] [4] 。

「丘陵としての千羽海崖」は、この千羽ヶ岳のほか、千羽富士(せんばふじ、標高 129m)などの小ピークが連なっており、全体が海岸線に面した、標高が 50~250 m程度、長さが 2~3 km の細長い丘陵となっている。内陸側からみると平凡な丘陵としか見えないが、その海側は、標高差 50~250 mあまりの典型的な海食崖となっていて、断崖絶壁の様相をしており、対照的な地形となっている[1] [2] [3] 。

この山は、標高が200 m台と、四国百名山のなかでは最も標高が低く、山としての独立性も明確ではないのに四国百名山の一つに選定されている理由も、この海食崖があることによる [3] 。

千羽ヶ岳の山頂には、休憩舎(東屋)があり、太平洋の大展望が望め、遠望が利く日には遥かに室戸岬あたりまで望める。また足元には標高差 約250 mもの海食崖があり、標高は低いながら、絶景が楽しめる山といえる[2] [3] 。

なお山頂部には三等三角点が設置されている。三角点の公式名称は、山名とは異なり「一ツ橋」、標高値は245.17 m(作業年月;2024年12月)となっている [9] 。

山名

「千羽ヶ岳」という山名や、「千羽海崖」という名前の由来には、以下のように諸説ある。なお「千羽」の意味や由来については、明確ではない。(※ 千羽海崖の項も参照のこと)[注釈 3]

まず、古くから「丘陵としての千羽海崖」[注釈 1]の全域を「千羽ヶ嶽」と呼んでいて、近年になって、そのうち最も標高の高い地点だけを「千羽ヶ岳」と呼ぶようになった、とする文献がある [3] 。

また「千羽海崖」という名称は、「1964年(昭和39年)に、この一帯を国立公園に指定する際に現地視察に訪れた、当時の国立公園協会の会長が名付けたもの」、とする文献がある [4] 。 

そのほか、千羽ヶ岳の別称として「二子山」と記載している文献もある [4]。

植生

千羽ヶ岳を含めた、「丘陵としての千羽海崖」[注釈 1]全体は、太平洋からの温暖な潮風が吹き付ける場所に位置していることや、標高が低いこともあり、暖地性の自然林からなる植生となっている。具体的には、常緑広葉樹であるウバメガシや、海沿いに多いクロマツが優占する自然林となっており、ヤマモモなども生えている [3] [4]。

遊歩道

千羽ヶ岳を含む、「丘陵としての千羽海崖」[注釈 1]の稜線部には、四国のみちの一部として、遊歩道が整備されている [10]。

その東端は、日和佐城が建つ小ピークで、そこから千羽ヶ岳までは、海側が切り立った断崖となっている稜線上に遊歩道があり、途中、いくつかの展望の良い地点には、東屋やベンチなどが整備されている。日和佐城から千羽ヶ岳までは、標高が低い割にはアップダウンが多い道で、約2時間半のコースである [2] [3] [10] 。

また、この四国のみちは、千羽ヶ岳より更に西へと続いており、途中から内陸部へ入り、JR山河内駅まで続いている [10] 。途中には、南阿波サンラインという道路の、千羽トンネル付近からの道が分岐しており、ここから千羽ヶ岳へと登ることもできる [2] 。

地質

四国の南東部の地質構成としては、白亜紀から古第三紀にかけての付加体からなる、四万十帯の分布域となっている [11] 。千羽ヶ岳や、それを含む「丘陵としての千羽海崖」[注釈 1]は、この四万十帯に属しており、具体的には、白亜紀後期のうちチューロニアン期からマーストリヒチアン期に付加した、砂岩が分布している [12]。前述の「丘陵としての千羽海崖」の稜線部にある遊歩道ぞいや、日和佐城付近の道路の側面には、その砂岩の露頭が見られる。

ギャラリー

脚注

注釈

  1. 1 2 3 4 5 6 「千羽海崖」とは本来、この地域にある海食崖そのものを意味するが、この記事では説明を分かりやすくすることや混同を避けるため、その海食崖を持つ丘陵全体を指して、「丘陵としての千羽海崖」と表記する
  2. ↑ 海食崖としての千羽海崖については、「千羽海崖」の項を参照
  3. ↑ 「千羽海崖」の項では、海鳥が多いことから「千羽」と呼び、弘法大師(空海)が名付けた、という伝承が記載されているが、地名辞典などの信頼できる文献類では、その伝承は確認できない

出典

  1. 1 2 3 4 “地理院地図(電子国土WEB)”. 国土地理院. 2026年8月23日閲覧。
  2. 1 2 3 4 5 6 徳島県勤労者山岳連盟(著)「「千羽ガ岳(千羽海崖)」の項」『分県登山ガイド(35)徳島県の山』(1994年版)山と渓谷社、1994年10月15日、104-105頁。ISBN 4-635-02195-5。
  3. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 石川 道夫、清家 一明、谷山 省一郎、井本 淳作、ほか3名(共著)「「千羽ガ岳」の項」『四国百名山』山と渓谷社、2000年9月10日、147頁。ISBN 4-635-53028-0。
  4. 1 2 3 4 5 角川日本地名大辞典 編纂委員会 編「「せんばかいがい(千羽海崖)」の項」『角川日本地名大辞典(36)徳島県』角川学芸出版社、2009年9月25日、414頁。ISBN 978-4-04-622953-3。
  5. ↑ “千羽海崖”. 徳島県観光情報サイト;阿波ナビ. 徳島県観光協会. 2026年8月23日閲覧。
  6. ↑ “表「国定公園の概要」”. 環境省 (2026年4月10日). 2026年8月23日閲覧。
  7. ↑ “日本の国定公園ウエブマップ”. Ranger-K (2026年4月10日). 2026年8月23日閲覧。
  8. ↑ “「南阿波サンライン/四国の道・千羽海崖を望むみちコース」”. 美波町観光協会ホームページのうち、「観る・遊ぶ・体験する」. 美波町観光協会. 2026年8月23日閲覧。
  9. ↑ “基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2026年8月23日閲覧。
  10. 1 2 3 “千羽海崖を望むみち;四国のみち - 20”. 四国のみち 徳島県. 徳島県庁. 2026年8月23日閲覧。
  11. ↑ 日本地質学会 編「6-3章 四国東部の四万十帯」『日本地方地質誌 第7巻 四国地方』朝倉書店、2016年2月25日、223-238頁。ISBN 978-4-254-16787-0。
  12. ↑ “産総研「20万分の1日本シームレス地質図V2」”. 産業技術総合研究所 地質調査総合センター (2026年5月10日). 2026年8月23日閲覧。

関連項目