手箱山
| 手箱山 | |
|---|---|
|
北西から望む手箱山(中央左)と筒上山(中央右) | |
| 標高 | 1,806.2 m |
| 所在地 | 高知県いの町 |
| 位置 | 北緯33度43分44秒 東経133度10分42秒 / 北緯33.72889度 東経133.17833度 |
| 山系 | 四国山地;石鎚山脈 |
概要
手箱山は、筒上山の頂上の東側にあり、大峰宗覚心寺派の修験道の道場がある、手箱越と呼ばれるコルから、東側へと続く稜線上にある、東西に細長い山頂部をもつ山である[1]。
高知県では三嶺など県境にある山を除けば、単独で県内に位置する山としては最高峰である[1] [2] [3]。
江戸時代には土佐藩の御留山とされ、樹々の伐採が制限されていた[4]。 その為もあって、東側の尾根沿いはブナ林に覆われており、全体に自然林がかなり残っている山である。その他の植生としては、アケボノツツジ、シャクナゲも多い[2]。 また、手箱越東側の北側斜面は一部ダケカンバ林もある。
手箱山の山頂部には、権現祠が祀られた小さい社殿があり、三等三角点;「手箱山」が設置されている[5]。
手箱越から手箱山までの稜線は、灌木や笹原が多く、稜線上からの展望も良い。また山頂部も、小さいながら笹原状となっており、北側は石鎚山脈の主稜線沿いの山々、南側は高知県内の四国山地の山々が望め、展望が良い。[1]
その麓の吉野川源流(名野川上流部)には、かつては氷室が造られ[1][2]、現在も氷室が復元されている。名野川上流部にある大瀧登山口(手箱山登山口ともいう)には、氷室番所跡がある。
手箱山の名前の由来は明確ではないが、越裏門村風土記(えりもんむらふどき)[6] [注釈 1] という、明治時代に書かれた古文書によると、山容が見ようによっては、玉手箱に似ているから、という伝承がある。[2]
登山ルート
手箱山の主な登山ルートとしては、石鎚山脈の重要な登山拠点である、土小屋登山口から岩黒山の南西部をトラバースし、筒上山の東側にある手箱越に至り、そこからさらに稜線を東へたどるルートのほか、高知県側の名野川上流部にある、大瀧登山口(手箱山登山口とも呼ぶ)から登るルートがある[1] [2] [7]。
| ルート名称 | ルート長 (km) |
|---|---|
| 縦走ルート・手箱山(土小屋・大瀧登山口) 土小屋→手箱山→大瀧登山口 | 11.2 |
| 手箱山(大瀧登山口) 大瀧登山口→手箱山→大瀧登山口 | 11.6 |
| 手箱山(土小屋) 土小屋→筒上山→手箱山→土小屋 | 11.1 |
| 縦走ルート・手箱山・筒上山(大瀧登山口・土小屋) 大瀧登山口→手箱山→筒上山→土小屋 | 11.5 |
地質
手箱山を含めた石鎚山脈の大部分は、日本の地帯(地体)構造区分では、結晶片岩類などの高圧型変成岩の存在を特徴とする、三波川帯に属する[8]。
手箱山は、山頂部から山麓部まですべて、三波川帯に属し、苦鉄質片岩(緑色片岩)や泥質片岩からなる[9]。
この三波川帯に属する結晶片岩類の原岩は、付加体であると推定されている。この付加体の形成時代は、南側に隣接する秩父帯と同じジュラ紀であるとする学説と、更に南側に分布する四万十北帯と同じ白亜紀であるとする学説があり、明確にはなっていない。また変成ピーク時期については、放射年代の分析結果に幅があるが、大まかには、白亜紀後期と推定されている[8] [9]。
ギャラリー
- 頂上ラインと右に筒上山
- 頂上
- 頂上の祠と右に石鎚山
脚注
注釈
- ↑ 「越裏門」(えりもん)とは、手箱山の東側、名野川上流部にある集落名である。
出典
- 1 2 3 4 5 6 高知県勤労者山岳連盟『分県登山ガイド (38) 高知県の山 』(初版)山と渓谷社〈分県登山ガイド〉、2019年3月1日、33-35頁。ISBN 978-4-635-02068-8。
- 1 2 3 4 5 6 7 石川 道夫、清家 一明 ほか『四国百名山』山と渓谷社、2000年9月10日、28-29頁。ISBN 4-635-53028-0。
- ↑ 川崎吉光 『山名・用語事典』 山と渓谷社、1998年
- ↑ 『アルペンガイド 中国・四国の山』 山と渓谷社、1998年
- ↑ 国土地理院 基準点成果等閲覧サービス Archived 2010年7月15日, at the Wayback Machine.
- ↑ “土佐國土佐郡 越裏門村風土記”. 神戸大学付属図書館 デジタルアーカイブ. 神戸大学. 2026年3月16日閲覧。
- 1 2 “石鎚山系ルートマップとグレーディング”. 石鎚山系連携事業協議会. 2025年12月6日閲覧。
- 1 2 日本地質学会 編『日本地方地質誌 第7巻 四国地方』朝倉書店、2016年、1-9,51-53,61,65,68, 78-82頁。ISBN 978-4-254-16787-0。
- 1 2 “産総研「20万分の1日本シームレス地質図V2」”. 産業技術総合研究所 地質調査総合センター (2025年7月18日). 2026年3月16日閲覧。
